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最終確認:2026年8月31日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:シンジェンタ ジャパン株式会社技術資料ほか
この農薬と一緒に使いやすい農薬です

プレバソンフロアブル5
¥5,720〜同じ「いちご」に使える、作用の仕組み(RAC)が異なる殺虫剤です。交互に使うと薬剤への抵抗性がつきにくくなります。
サンヨール
¥1,930〜「いちご」に使える殺菌剤です。病気と害虫をあわせて防除できます。この作物で混ぜて使われた実績があります。
チェス顆粒水和剤はピメトロジンを有効成分とするピリジンアゾメチン系の殺虫剤で、アブラムシ類・コナジラミ類によく効きます。害虫の吸汁行動を止めて餓死させる効き方をします。既存の薬剤に抵抗性を発達させた個体群にも高い効果を示します。浸透移行性により、株の隅々や葉の裏に潜む虫にまで効果が届きます。
本剤は虫が姿勢や運動を感じ取る器官の働きを狂わせ、汁を吸う行動そのものをできなくします。すぐに殺すのではなく、加害を止めてから密度を下げる効き方です。
汁を吸わせず餓死させる、独自の作用
処理された虫は速やかに口を挿し込む動作ができなくなり、それ以降は摂食できずに餓死します。神経伝達を阻害する従来の殺虫剤とは全く異なる、他にはない独自の作用機構です。
アブラムシ、コナジラミ特効
コナジラミ類・アブラムシ類に高い効果を示し、既存の薬剤に抵抗性を発達させた個体群に対しても安定した効果を発揮します。世界的に見ても抵抗性の報告が少なく、ローテーション防除の信頼できる選択肢です。
株のすみずみまで届く浸透移行性
根からしっかり吸収され、株全体に行き渡る浸透移行性に優れています。葉の表に散布しても、葉の裏に潜む虫にまで効果が届きます。
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| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| いちご | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| いちご | コナジラミ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| うめ | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 2 | 散布 |
| うり類(漬物用) | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| きゅうり | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| きゅうり | コナジラミ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| すいか | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 4 | 散布 |
| とうがらし類 | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| なし | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫14日前まで | 2 | 散布 |
| なす | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| なす | コナジラミ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| にがうり | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫開始3日前まで | 3 | 散布 |
| ばれいしょ | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫14日前まで | 3 | 散布 |
| ばれいしょ | アブラムシ類 | 1000倍散布液量 25L/10a | 収穫14日前まで | 3 | 散布 |
| みょうが(花穂) | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布、但し花穂の発生期にはマルチフィルム被覆により散布液が直接花穂に飛散しない状態で使用する。 |
| もも | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫14日前まで | 2 | 散布 |
| オクラ | アブラムシ類 | 6000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| ズッキーニ | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| トマト | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| トマト | コナジラミ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| ピーマン | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| ミニトマト | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| ミニトマト | コナジラミ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| メロン | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 4 | 散布 |
| 花き類・観葉植物 | アブラムシ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 4 | 散布 |
| 花き類・観葉植物 | コナジラミ類 | 5000倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 4 | 散布 |
IRACコード:9B(ピリジンアゾメチン系、弦音器官TRPV型チャネルモジュレーター〈吸汁阻害〉)
アブラムシ類・コナジラミ類等の同翅目害虫の摂食・吸汁行動を直ちに停止させる、他の殺虫剤とは異なる独自の作用機構を持ちます。ピメトロジンが開発されてから、実際の作用機構(分子レベルでの標的部位)が解明されるまで約30年を要しました。近年の研究により、ピメトロジンは弦音器官(昆虫や甲殻類が持つ、重力の感受・聴覚・自己受容感覚に関与する感覚受容器で、脚の関節部や触角、翅等に存在する)の中の感覚ニューロンにあるNan-Iav TRPV(一過性受容体電位バニロイド)チャネル複合体に結合することが明らかになりました。
これによりチャネルが活性化され、細胞内にカルシウムが流入することで、昆虫は運動の統制を失い、定位・摂食などの行動ができなくなり、飢餓等により死に至ります。
処理後の現象としてはアブラムシに処理すると速やかに口吻を刺し込む動作が抑止され、処理された個体はそれ以後摂食することができなくなり餓死に至ります。一旦薬剤を体内に採りこんで摂食阻害が起こると、薬剤の処理されていない寄主作物に移動しても正常な摂食ができずに死に至ることが確認されています。この機構により活性が発揮されるため、圃場での実用効果の発現に2〜3日を要することがあります。
植物と吸汁性昆虫の通電回路の電気的抵抗を測定する手法(EPG)を用いた研究では薬剤を吸汁したアブラムシは5〜15分のうちに口針を引き抜き、その後再び口針を挿入することができなくなることが確認されています。
有効成分ピメトロジンは、1986年にチバガイギー社(現シンジェンタ社)によって発明されたピリジンアゾメチン系の化合物です。同社が1980年代に行っていた複素環式化合物の合成研究の過程で、ピリジンアゾメチン類に特異な作用を生じる殺虫活性が見いだされ、最適化研究を経てピメトロジンが選抜されました。1993年度から日本植物防疫協会(当時)を通じて全国の公的研究機関で試験番号CG-184による試験が開始され、1998年12月に日本国内で農薬登録されました。
これはピメトロジンとしての国内初回登録時期であり、本剤「チェス顆粒水和剤」(登録番号21644)は、これに続く剤型として平成18年(2006年)2月22日にシンジェンタジャパン株式会社が登録を取得したものです。同社は「チェス水和剤」(登録番号20124)及び「チェス粒剤」(登録番号20128)という先行製剤も展開しており、チェス顆粒水和剤はこれらに続く剤型として位置づけられます。
物理化学的性質は、分子式C10H11N5O、分子量217.2、白色固体(粉末)、無臭、密度1.36g/cm³(23℃)。融点・沸点は分解のため測定不能です。蒸気圧は4×10⁻⁶Pa未満(25℃)と極めて低く、水への溶解度は290mg/L(25℃)、オクタノール/水分配係数はlog Pow=-0.18(25℃)です。
加水分解性は酸性条件(pH1)では半減期2.7〜2.8時間と速やかに分解する一方、中性・アルカリ性条件(pH7・9)では30日間以上安定という、pH依存性の高い分解挙動を示します。
本剤の活性の範囲は狭く、半翅目昆虫のみに選択的な活性を示します。同じ半翅目の中でも実用的な効果が確認されているのは、アブラムシ科、コナジラミ科、キジラミ科、ウンカ科、ヒメヨコバイ科、ヘリカメムシ科、カメムシ科に属する各種農業害虫です。アザミウマ類、鱗翅目類、鞘翅目類、ダニ類には試験の結果、実用的な活性は得られませんでした。
ミシガン大学が公開している節足動物薬剤抵抗性データベースによると、ピメトロジンの抵抗性報告はタバココナジラミ、セジロウンカ、オンシツコナジラミの3害虫のみで、いずれも海外での事例であり、日本国内での明らかな抵抗性獲得の報告はありません(2022年時点)。海外ではタバココナジラミおよびオンシツコナジラミで、ピメトロジンとネオニコチノイド系殺虫剤との交差抵抗性が報告されています。
この交差抵抗性には解毒酵素チトクロームP450(CYP6CM1)による代謝が関与し、この酵素の過剰発現はコナジラミ成虫でのみ確認されるため、交差抵抗性は成虫でのみ生じ、幼虫では感受性が維持されると考えられています。
カイコでは25%水和剤の1,500倍希釈液を桑葉に散布した試験(長野県蚕業センター、1995年)で、散布後1日経過の桑葉給与では生育遅延が見られましたが、散布後7日以降の桑葉は蚕の生育に影響を及ぼさず、安全基準日数は7日とされました。ミツバチ(セイヨウミツバチ)では帰巣する働きバチへの2,000倍液の観察試験(三重大学、1996年)で死亡個体・異常行動は認められず、圃場(温州みかん)での訪花活動観察試験でも薬液の乾燥した1時間以降は訪花忌避行動が見られませんでした。
原体の急性接触毒性LD50は200µg/頭超、経口毒性LD50は117µg/頭超です。天敵ではオンシツツヤコバチに対する急性毒性試験で、試験条件によって「成虫死亡率76%・評価4=有害」という結果と「蛹羽化率94%・寄生率減少率100%=影響なし」という結果が併記されており、単純に「影響が少ない」と言い切れない複雑さがあります。
広島県立農業技術センター(1995年)の残毒性試験では処理直後の死虫率26.5%に対し処理1日後以降は影響なしという結果でした。天敵混合種(クモ類、コオロギ、ダンゴムシ類等)を対象とした圃場試験ではいずれの天敵の密度も低下しませんでした。鳥類(コリンウズラ・マガモ)では急性・亜急性毒性試験でいずれも高いLD50値が示されています。
水産動植物ではニジマス急性毒性LC50100mg/L超、ミジンコ類急性遊泳阻害EC50100mg/L超、藻類生長阻害ErC50・EbC50100mg/L超と、いずれも明確な毒性は確認されていません。
野菜のコナジラミ類に使用する場合は成虫の少ない発生初期に散布してください。
散布液は調製した日に使いきってください。
きくでは品種・栽培条件によっては薬害を生じるおそれがあるため、あらかじめ安全性を確かめてから使用してください。カラー及び花はすに使用する場合は湛水状態で使用せず、使用後14日間は入水しないでください。適用作物群に属する作物やその新品種に初めて使用する場合は事前に薬害の有無を十分確認してください。
ばれいしょに対して希釈倍数1000倍で散布する場合は少量散布に適合したノズルを装着した乗用型の速度連動式地上液剤少量散布装置を使用してください。
カイコに対して影響があるため、周辺の桑葉にかからないよう注意してください。
眼・皮膚に対して弱い刺激性があるため、付着しないよう注意し、付着した場合は直ちに水洗・石けん洗浄してください。散布液を調製した容器・散布器具は使用後十分に水で洗浄し、洗浄廃液や使い残した散布液は河川などに影響がないよう適切に処理してください。
IRACグループ9B(ピリジンアゾメチン系、弦音器官TRPV型チャネルモジュレーター)に属する、他の殺虫剤とは根本的に異なる作用機構の成分です。世界的に見ても抵抗性発達の報告は少なく、抵抗性が発達した他系統薬剤の代替剤として現場で広く使われています。イネウンカ類では1990年代に主力だったイミダクロプリド・フィプロニル(いずれも一般名)への抵抗性発達を受け、代替剤としてピメトロジンの使用がアジア地域全体で増加してきたという経緯があります。
ただし対象害虫は各種殺虫剤に抵抗性を獲得しやすい虫種のため、高頻度で使用すれば本剤に対しても抵抗性が発達する可能性があり、作用機構の異なる薬剤とのローテーション散布の徹底が重要です。
対象作物は果樹(もも、なし、うめ)・果菜類(トマト、きゅうり、なす等)・いも類・花き類まで幅広く、対象害虫はアブラムシ類とコナジラミ類にほぼ特化しています。
本剤は水稲への登録はありません。同じピメトロジンを有効成分とする姉妹製剤「チェス水和剤」「チェス粒剤」が、イネのウンカ類・ツマグロヨコバイ・カメムシ類向けに別途登録されています。
※この農薬で登録されている作物と対象病害虫です。
いいえ、本剤(チェス顆粒水和剤)は水稲への登録がありません。同じピメトロジンを有効成分とする姉妹製剤「チェス水和剤」「チェス粒剤」が、イネのウンカ類・ツマグロヨコバイ・カメムシ類の育苗箱処理・本田散布用として登録されています。水稲でのご使用をお考えの場合はそちらをご検討ください。
ミツバチへの影響は少ないことが確認されており、圃場での訪花活動にも大きな影響は見られませんでした。一方、天敵については影響の程度に幅があり、試験条件によっては一部の天敵(寄生蜂の成虫等)に接触毒性が認められる場合があります。 IPM(総合的病害虫管理)に取り入れる際は、使用する天敵の種類や散布タイミングに配慮することが推奨されています。
海外ではタバココナジラミ・セジロウンカ・オンシツコナジラミの一部で抵抗性の報告がありますが、日本国内では明らかな抵抗性獲得の報告はまだありません(2022年時点)。ただし対象害虫は各種殺虫剤への抵抗性を獲得しやすい虫種のため、高頻度で使用すれば本剤に対しても抵抗性が発達する可能性があります。作用機構の異なる薬剤とのローテーション散布を徹底してください。
コナジラミ類に使用する場合は成虫の少ない発生初期に散布してください。散布液は調製した日のうちに使い切ってください。きくでは品種・栽培条件によって薬害を生じることがあるため、事前に安全性を確かめてから使用してください。カラーや花はすでは湛水状態での使用や使用後14日以内の入水を避けてください。カイコに対して影響があるため、周辺の桑葉にかからないよう注意してください。
桑葉への散布試験では散布後1日以内の桑葉を与えると蚕の生育に影響が出ることが確認されていますが、散布後7日以降の桑葉であれば生育への影響は認められませんでした。この結果から、安全基準日数は7日とされています。周辺に桑園がある場合は飛散に十分注意してください。
目に入った場合は直ちに水で十分に洗い流し、速やかに医師の診断を受けてください。誤って飲み込んだ場合は口をすすいだうえで無理に吐かせず、直ちに医師に相談してください。眼・皮膚に対して弱い刺激性があるため、付着した場合は直ちに水洗・石けん洗浄してください。
他剤と混ぜるときは、1剤ずつ水に溶いてから次を加えます。乳剤と混ぜる場合は乳剤が先です。少ない水に2剤を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
