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最終確認:2026年10月3日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:米澤化学株式会社技術資料ほか
サンヨールは、DBEDCを有効成分とする、うどんこ病・灰色かび病など野菜・花きの幅広い病害に効くFRACコードM1の有機銅殺菌剤です。銅の含有量が少なく銅剤としては薬害が出にくいうえ、展着性に優れ、アブラムシ・ハダニ・コナジラミ・ナメクジへの殺虫効果も併せ持ちます。
銅の成分が病原菌のさまざまな働きを同時に妨げて、病気の感染を防ぎます。薬液の界面活性作用で害虫の呼吸の穴(気門)をふさぎ、窒息させる物理的な殺虫効果もあります。
銅剤の中では薬害が出にくい有機銅剤
銅の含有量が少ない有機銅剤のため、銅剤で起こりやすい作物の薬害が出にくく、果実や花、葉を汚しにくい剤です。多くの野菜で収穫前日まで使えます。
展着性に優れた殺菌剤
展着剤を加えなくても作物や病原菌によく付着し、野菜・花きのうどんこ病、灰色かび病、べと病、葉かび病、白さび病、黒星病などを防ぎます。いちごのうどんこ病では、定植前の苗を薬液に浸す使い方もできます。
気門封鎖による殺虫効果、ナメクジにも
薬液が害虫の呼吸の穴をふさぐ物理的な作用で、アブラムシ類・ハダニ類・コナジラミ類にも効き、病気と害虫を同時に防除できます。ペチュニアのナメクジ類にも登録があり、薬液を直接かけると殺虫効果を示します。
| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| いちご | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 6回以内 | 散布 |
| いちご | うどんこ病 | 800倍散布液量 - | 定植前 | 1回 | 5分間苗浸漬 |
| いちご | うどんこ病 | 500~1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 6回以内 | 散布 |
| いちご | うどんこ病 | 500倍散布液量 - | 定植前 | 1回 | 瞬間~5分間苗浸漬 |
| いちご | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 6回以内 | 散布 |
| いちご | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 6回以内 | 散布 |
| うり類(漬物用) | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| うり類(漬物用) | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| うり類(漬物用) | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| かぼちゃ | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| きく | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きく | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きく | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きく | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きく | 褐斑病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きく | 黒斑病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きく | 白さび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| きゅうり | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| きゅうり | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| きゅうり | コナジラミ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| きゅうり | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| きゅうり | べと病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| さやえんどう | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| さやえんどう | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| すいか | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| すいか | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| すいか | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| スターチス | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| スターチス | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| スターチス | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| スターチス | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ズッキーニ | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| たばこ | うどんこ病 | 500倍散布液量 25~180L/10a | - | 2回以内 | 散布 |
| つつじ類 | アブラムシ類 | 500倍散布液量 200~700L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| つつじ類 | うどんこ病 | 500倍散布液量 200~700L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| つつじ類 | ツツジグンバイ | 500倍散布液量 200~700L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| つつじ類 | ツツジコナジラミ | 500倍散布液量 200~700L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| トマト | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| トマト | うどんこ病 | 500~700倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| トマト | コナジラミ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| トマト | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| トマト | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| トマト | 葉かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| なす | うどんこ病 | 700倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| なす | すすかび病 | 700倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| にがうり | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| にがうり | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| にがうり | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ばら | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| ばら | うどんこ病 | 500~1000倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| ばら | チュウレンジハバチ | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| ばら | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| ばら | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| ばら | 黒星病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| パンジー | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| パンジー | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| パンジー | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| パンジー | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ピーマン | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ピーマン | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| プリムラ | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| プリムラ | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| プリムラ | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| プリムラ | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ペチュニア | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ペチュニア | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ペチュニア | ナメクジ類 | 250~500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ペチュニア | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ペチュニア | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 開花前まで | 8回以内 | 散布 |
| ミニトマト | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ミニトマト | うどんこ病 | 500~700倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ミニトマト | コナジラミ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ミニトマト | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ミニトマト | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| ミニトマト | 葉かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| メロン | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| メロン | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| メロン | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| 花き類・観葉植物(きく、ばら、ペチュニア、スターチス、プリムラ、パンジーを除く) | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 花き類・観葉植物(きく、ばら、ペチュニア、スターチス、プリムラ、パンジーを除く) | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 花き類・観葉植物(きく、ばら、ペチュニア、スターチス、プリムラ、パンジーを除く) | ハダニ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 花き類・観葉植物(きく、ばら、ペチュニア、スターチス、プリムラ、パンジーを除く) | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 甘長とうがらし | アブラムシ類 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| 甘長とうがらし | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| 実えんどう | うどんこ病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| 実えんどう | 灰色かび病 | 500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 4回以内 | 散布 |
| 樹木類(つつじ類を除く) | アブラムシ類 | 500倍散布液量 200~700L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 樹木類(つつじ類を除く) | うどんこ病 | 500倍散布液量 200~700L/10a | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 日本芝 | さび病 | 300~500倍散布液量 0.5L/m2 | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
| 日本芝 | 葉腐病(ラージパッチ) | 300~500倍散布液量 0.5L/m2 | 発生初期 | 8回以内 | 散布 |
作物名に「(〜を除く)」とある場合はかっこ内の作物がその行の適用範囲に含まれません。 例えば「かんきつ(みかんを除く)」の行に記載された希釈倍数・使用時期・使用回数はみかんに適用されません。 かっこ内の作物は独自の条件で別の行に登録されている場合があります。表内に該当する作物名の行があるかご確認ください。 該当する行がない場合は本剤に当該作物の登録はありません。
FRACコード:M1(銅剤、多作用点接触活性)
DBEDC(ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩〔Ⅱ〕)は、米澤化学が原体を開発した有機銅系の殺菌成分です。開発元(米澤化学研究部 2005)によれば、主成分のドデシルベンゼンスルホン酸の強い浸透付着・脱脂力に着目し、その金属塩にエチレンジアミンを配位した金属錯塩として開発されました。薬効は特に糸状菌に対して大きいとされています。
銅イオンによる殺菌作用で、FRACは銅剤(M1)を多作用点接触活性のグループとし、耐性の兆候がない低リスクのグループとしています。宮本ら(2020)も、FRACによればDBEDCは多作用点接触活性化合物で耐性リスクは低いとしています。
技術資料とメーカーは、本剤が界面活性系の成分であるため、アブラムシ類・コナジラミ類・ハダニ類などの虫体に十分量散布すると、気門・気孔をふさいで窒息死させる物理的な殺虫作用があるとしています。このため抵抗性が生じにくいとされています。ナメクジ類も、うすめた薬液を虫体に直接噴霧すると殺虫効果が生じます。
開発元の試験(インゲンマメの葉に塗布)では、葉面からの顕著な移行性は認められず、多くは未変化のまま葉の表面にとどまり、水分があるとエチレンジアミン銅錯イオンとドデシルベンゼンスルホン酸に解離してそれぞれ分解・吸収されるとされています。
本剤は1969年2月17日に登録された、半世紀以上使われている剤です。技術資料には1966年の京都府立農業試験場のなすうどんこ病の試験から掲載されています。家庭園芸用のスプレー剤(サンヨール液剤AL)も同じ有効成分の別製品として販売されています。
技術資料によれば、本剤の銅含有量は約2%で、無機銅剤に比べてはるかに少なく、作物に対する銅による薬害が少ないとされています。技術資料は、果実・花・葉を汚さず、薬害が少ないことを特長に挙げています。東京都農業試験場のさやえんどうの試験(1987年)では、他の2剤は処理濃度で全体に汚れが目立ったのに対し、本剤は汚れがなかったとされています。
メーカーは、展着性に優れ、展着剤なしでも作物および菌体に十分強く付着するとしています。
徳島県農業試験場(金磯・大植 1995)の散布試験(800倍3回、展着剤加用)では、3か所の菌株を接種したハウスのいずれでも発病小葉率0%でした。兵庫県(神頭ら 1999)の感受性検定では、1995年の4農家の菌に防除価91.1〜99.9でしたが、1996年の3農家の菌では57.1〜68.0と感受性がやや低い傾向がありました。
きゅうりでは予防効果の防除価21.0〜60.9、治療効果88.1〜100と治療効果が高く、ピーマンでは予防0・19.5、治療0・3.9と効果が極めて低い結果でした。
予防散布3回のポット試験で防除価36.3と、効果は低い結果でした。
京都府のバイオタイプQ(德丸 2010、500倍浸漬)では補正死虫率が幼虫61.1%、成虫3.7〜12.5%でした。埼玉県のバイオタイプB(近・岩瀬 2011、500倍散布)では1齢幼虫20.7〜50.9%、3齢幼虫8.7%で、埼玉県は、1齢幼虫には本剤を含む気門封鎖剤3剤で効果が認められた一方、3齢幼虫では試験した5剤ともほとんど効果が認められなかったとしています。
技術資料は、耐性が生じた他剤と本剤の混用で薬効が増すとし、きゅうり・いちごのうどんこ病で他の殺菌剤との混用により効果が高まった試験を掲載しています。
技術資料では、製剤の急性経口LD50(ラット)は5,800〜5,920mg/kgとされています。開発元(2005)は、DBEDCの急性毒性は低く普通物に該当し、20%乳剤は眼に強い刺激性、皮膚に弱い刺激性があるとしています。ADIは0.1mg/kgと設定されています。
多くは500倍です。なすは700倍、トマト・ミニトマトのうどんこ病は500〜700倍、いちご・ばらのうどんこ病は500〜1000倍、ペチュニアのナメクジ類は250〜500倍、日本芝は300〜500倍(0.5L/㎡)です。使用液量は野菜・花き100〜300L/10a、樹木類・つつじ類200〜700L/10a、たばこ25〜180L/10aです。
メーカーは、病害虫の発生時期に5〜7日間隔で作物に全面散布するよう案内しています。
野菜は収穫前日までで、4回以内(いちごは6回以内、うち定植前の苗浸漬は1回以内)です。花き・樹木・芝は発生初期(ペチュニア・スターチス・プリムラ・パンジーは開花前まで)で8回以内、たばこは2回以内です。DBEDCを含む農薬の総使用回数も同じです。必ず最新の適用表で確認してください。
ハウス・露地とも高温時は葉の変色などの薬害が出るおそれがあるため使用を避けてください。多湿の施設内では通気をよくして薬液が早く乾くよう散布します。パンジー・スターチス・ペチュニア・プリムラは開花中に使用しないでください。いちごの苗浸漬はポット苗(ポットをつけたまま)に限ります。初めて使う作物・品種では事前に薬害の有無を確認してください。
水でうすめる際は、他の乳剤と分散のしかたが異なるため、よくかき混ぜてから使ってください。
技術資料は、露地では雨で薬剤が流れることがあるため、特に降雨後に散布するよう案内しています。
眼に対して刺激性があるため眼に入らないよう注意し、入った場合は直ちに水洗して眼科医の手当を受けてください。皮膚にも刺激性があるため付着しないよう注意し、付着した場合は直ちに石けんでよく洗い落とします。薬液調製時と使用の際は、保護眼鏡、農薬用マスク、不浸透性手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。
かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。街路・公園等で使用する場合は、使用当日は小児や関係のない人が立ち入らないよう配慮してください。
危険物第四類第二石油類に該当するため火気に十分注意し、密栓して、直射日光を避け、食品と区別して低温な場所に保管してください。
普通物に区分されています。
FRACコードM1(銅剤、多作用点接触活性)の殺菌剤です。FRACは銅剤を耐性の兆候がない低リスクのグループとしています。技術資料は、耐性が生じた他剤と本剤を混用することで薬効が増すとしています。殺虫作用も気門をふさぐ物理的な作用のため、抵抗性が生じにくいとされています。
一方、兵庫県(神頭ら 1999)では、いちごうどんこ病菌で1996年に本剤への感受性がやや低い傾向が認められ、著者は、うどんこ病菌は細胞壁に脂質を多く含み銅剤の侵入を抑えるとする記述もあることから、原因の検討が必要としています。多作用点の剤であっても、同じ剤に頼りきらず、作用機構の異なる殺菌剤と組み合わせてください。
技術資料の注意事項では、いちごの灰色かび病は多発時に効果が劣ることがあるため、発生初期に予防的に使うよう求めています。技術資料の試験では、ハダニ類、コナジラミ類の卵〜蛹、甚発生条件のきく白さび病、プリムラ灰色かび病、少発生条件の芝ラージパッチなどで「効果はやや低いが実用性はある」とされた例があります。
高温時の散布と、薬液が乾きにくい条件で出やすくなります。ハウス・露地とも高温時は葉の変色などの薬害が出るおそれがあるため使用を避けてください。施設内では通気をよくして薬液が早く乾くようにし、夜間に完全に乾くようなるべく午前中に散布します。パンジー・スターチス・ペチュニア・プリムラは花弁が変色するおそれがあるため、開花中は使えません。
花き類は品種による差があるため、初めて使う品種では小規模に試してから使ってください。
定植前のポット苗を、ポットをつけたまま薬液に浸してください。500倍では瞬間〜5分間、800倍では5分間浸漬します。根を露出した状態で浸すと薬害が出るため、ポット苗以外には使いません。技術資料は、薬液の温度を35℃以下とし、浸漬時間を守って過度に浸さないこと、品種や苗の活力によって薬害の出やすさが異なることに注意するよう求めています。苗浸漬は1回以内で、散布と合わせてDBEDCを含む農薬は6回以内です。
はい、メーカーはミツバチ・マルハナバチがいる状態での当日散布も可能としています。技術資料の試験では、いちごハウスでの500倍散布でミツバチの群に悪影響はなく、散布直後の巣箱の導入も可能と判断されています。マルハナバチは働きバチへの直接散布でも死亡や訪花忌避はなく、トマトでは散布当日の夕方以降に導入しても影響はないとされています。
天敵の種類や時期によっては影響があります。技術資料では、チリカブリダニ・コレマンアブラバチ成虫・オンシツツヤコバチ成虫への影響はほとんどありませんでしたが、タイリクヒメハナカメムシの幼虫(補正死亡率76.1%)やオンシツツヤコバチのマミー(羽化率の低下)には影響がありました。ミヤコカブリダニの雌成虫に直接散布した試験では補正死亡率79.4%でした。
メーカーも、薬液が乾くまでは天敵に影響がある可能性があるとしています。天敵を放飼している場合は、乾燥後に接触するよう散布のタイミングに注意してください。
薬液が直接かかった害虫に効く物理的な作用のため、害虫の体にしっかりかけることが大切です。技術資料の試験では、アブラムシ類・ハダニ類に対して多くの試験で実用的な効果が認められていますが、「効果はやや低いが実用性がある」とされた試験も多くあります。つつじのツツジコナジラミでは成虫には十分な効果がありましたが、卵〜蛹への効果はやや低めでした。害虫が多発している場合は、殺虫剤との組み合わせも検討してください。
作物と病原菌によって効き方に差があります。茨城県の試験では、きゅうりのうどんこ病では発病後の散布で高い効果(防除価88.1〜100)があった一方、ピーマンのうどんこ病では予防・治療ともに効果が低い結果でした。著者は、葉の表面につく菌(きゅうり)と葉の内部に入り込む菌(ピーマン)という寄生のしかたの違いが影響していると考えています。発生初期からの散布を基本にしてください。
混用できる剤は多いですが、作物と剤の組み合わせによっては薬害が出るものがあります。技術資料の混用適否表では、きゅうり・メロン・なす・いちごなどで混用不適の組み合わせがあります。技術資料は、混用する場合は該当作物に小規模に散布して薬害の有無を確認してから使うようすすめています。また、水でうすめる際は他の乳剤と分散のしかたが異なるため、よくかき混ぜてから使ってください。
他剤と混ぜるときは、先にこの乳剤を薄めてから水和剤・フロアブル剤を加えます。少量の水に両方を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
