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最終確認:2026年10月3日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:シンジェンタ ジャパン株式会社技術資料ほか
クルーザーMAXXは、チアメトキサム・フルジオキソニル・メタラキシルMを有効成分とする、豆類の種子に塗って生育初期の害虫と病害を同時に防ぐIRACコード4A・FRACコード12/4の種子処理用殺虫殺菌剤です。種子処理1回で約1か月、アブラムシ類やフタスジヒメハムシ、茎疫病・苗立枯病などから豆を守り、苗立ちを安定させます。
チアメトキサム:根から吸われて芽生えに広がり、害虫の神経の信号を乱して退治します。フルジオキソニル:病原菌の水分調節のしくみを狂わせ、菌糸を膨らませて破裂させます。メタラキシルM:茎疫病などを起こす菌が生きるのに必要な遺伝情報の写し取りを止め、増殖を防ぎます。
種子処理1回で約1か月、豆を守る
種をまく前に種子へ塗るだけで、芽生えから約1か月、病害虫の攻撃から豆を守ります。畑での散布作業を省け、天候に左右されずに防除の適期を逃しません。
害虫と病害をまとめて防除
殺虫成分がアブラムシ類・タネバエ・ネキリムシ類・フタスジヒメハムシを防ぎ、2種類の殺菌成分が茎疫病・苗立枯病・根腐病類・紫斑病などを予防します。だいず・えだまめでは、ハトやキジバトによる種子の食害を防ぐ目的でも使えます。
湿害に強く、苗立ちと初期生育が安定
低温や過湿で豆の抵抗力が落ちる時期に、根を病原菌から守ります。排水の悪い転換畑や湿田状態の圃場でも、良好な苗立ちと初期生育が確認されています。
| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| あずき | アブラムシ類 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| あずき | タネバエ | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| あずき | 茎疫病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| いんげんまめ | アブラムシ類 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| いんげんまめ | タネバエ | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| いんげんまめ | リゾクトニア根腐病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| いんげんまめ | 苗立枯病(ピシウム菌) | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | 使用目的ハト、キジバトによる種子食害忌避 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | アブラムシ類 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | タネバエ | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | ネキリムシ類 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | フタスジヒメハムシ | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | リゾクトニア根腐病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | 茎疫病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | 黒根腐病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | 紫斑病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | 白絹病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| えだまめ | 苗立枯病(ピシウム菌) | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | 使用目的ハト、キジバトによる種子食害忌避 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | アブラムシ類 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | タネバエ | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | ネキリムシ類 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | フタスジヒメハムシ | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | リゾクトニア根腐病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | 茎疫病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | 黒根腐病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | 紫斑病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | 白絹病 | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
| だいず | 苗立枯病(ピシウム菌) | 原液散布液量 乾燥種子1kg当り8mL | は種前 | 1回 | 塗沫処理 |
IRACコード:4A(チアメトキサム:ニコチン性アセチルコリン受容体競合的モジュレーター、ネオニコチノイド系)
FRACコード:12(フルジオキソニル:浸透圧シグナル伝達のMAP/ヒスチジンキナーゼ、フェニルピロール系)、4(メタラキシルM:RNAポリメラーゼⅠの阻害、フェニルアミド系)
昆虫の中枢神経のアセチルコリン受容体に作用し、神経伝達を乱して死に至らせます。橋野(2002)は、既存のネオニコチノイドのクロルピリジン環の代わりにクロロチアゾール環を持つ化合物で、有機リン系・カーバメート系・ピレスロイド系とは作用点が異なり、これらに高度の抵抗性を発達させた害虫にも交差抵抗性を示さないとしています。浸透移行性に優れるため、種子処理でも長期間の防除効果が期待されるとしています。
細菌が作る天然の抗菌物質ピロールニトリンをもとに開発されたフェニルピロール系の成分です。Kilani & Fillinger(2016)は、菌の浸透圧シグナル伝達経路をヒスチジンキナーゼを介して異常に活性化し、膜の過分極、炭素代謝の変化、代謝物の蓄積による菌糸の膨張・破裂を起こすとしています。Brandhorst et al.(2019)は、フルジオキソニルがトリオースリン酸イソメラーゼに作用してメチルグリオキサールを放出させ、これがヒスチジンキナーゼの働きを変えるとしています。FRACは耐性リスクを「Low to Medium」としています。
茎疫病菌やピシウム菌などの卵菌類に効く成分で、リボソームRNAの合成(RNAポリメラーゼⅠ)を阻害すると考えられています。FRACは耐性リスクを「High」としています。
技術資料は、殺菌成分が病原菌の感染から根部を保護し、苗立率や初期生育の改善に貢献するとしています。加藤(2010)は、ダイズは出芽前や出芽してしばらくは茎疫病に非常に弱く、圃場抵抗性はある程度大きくならないと発揮されないため、幼苗期の感染を抑えるには殺菌剤の種子処理が効果的であるとしています。
チアメトキサムはスイスのチバガイギー社(現シンジェンタ社)が1991年に合成した殺虫成分で、フルジオキソニルも同社が1980年代に開発した殺菌成分です。本剤は2011年4月6日に登録されました。宮城県古川農業試験場(大江 2018)は、同県ではチアメトキサムの種子処理剤の流通量が2012年以降、殺菌成分が加わった本剤と同じ種類の剤に置き換わるかたちで増え、2017年には単純計算でダイズ作付面積の9割以上で種子塗沫処理が行われていると推測しています。
チアメトキサム22.6%、フルジオキソニル1.1%、メタラキシルM1.7%。製剤は青色水和性粘稠懸濁液体(フロアブル)で、有効年限は4年です。メーカーは、フロアブル製剤のためいやな臭いや粉立ちがないとしています。
技術資料は、種子塗沫処理から生育初期までを「約1ヵ月の殺虫効果」「約1ヵ月の殺菌効果」とし、その後は茎葉散布としています。鳥取県農林総合研究所(成果情報2012-06)も、アブラムシ類に対する効果の持続期間を約1か月としています。全農(2014)は、種子処理により約1か月、圃場での薬剤散布を省くことが可能としています。
成熟期の発病度は種子処理(本剤)のみの区8.1(発病茎率24.3%)、無処理区19.8(54.1%)で、防除価は59.1でした。種子処理にテブコナゾール水和剤の株元散布を組み合わせた区の防除価は86.0〜90.9でした。農研機構(2020)の東北・北陸6県の圃場の解析では、本剤と同じ種類(TFM水和剤)の種子塗沫で黒根腐病の軽減効果が認められています。
TFM水和剤(8mL/種子1kg)の種子塗沫による子葉の発病の防除価は、2012年51、2013年48〜62でした。一方、茎葉散布をしない区では子実の汚染粒率は下がらず、茎葉散布(開花10日後と30日後前後の2回)との組み合わせが必要とされています。
本剤の種子処理で、紫斑病(子葉の発病)の防除、アブラムシ類・フタスジヒメハムシ・タネバエの防除が可能で、病害虫の被害が減ることで出芽率が無処理より向上したとしています。広域的に利用することで防除効果がより安定するとしています。
慣行防除区と比べ、ネキリムシでより優れた効果、フタスジヒメハムシで同等またはより優れた効果、その他の適用病害虫でも同等の効果を示したとしています。
SDSによれば、製品の急性経口LD50(ラット)は5,000mg/kg、経皮LD50は5,000mg/kg超、吸入LC50は2.5mg/L超(4時間)です。皮膚感作性があります。水生環境有害性は急性・慢性とも区分1です。
原液を乾燥種子1kg当たり8mL、は種前に1回、塗沫処理します。種子処理はは種の直前に行ってください。
使用前に容器をよく振ります(小さな膜片が生じることがありますが、使用や効果に影響はありません)。使用量に合わせて量り、使い切ってください。ミキサー、肥料混和機、ビニール袋、ビニールシートなどで、種子にむらなく色がつくようにすばやく混ぜ、薬剤が種子に均一に付着するように処理します。処理後は種子を広げて30分以上乾燥させ、よく乾いてから保存容器に移してください。
3成分それぞれに総使用回数が定められています。だいずでは、チアメトキサムを含む農薬は3回以内(は種前の塗沫処理1回以内、は種後2回以内)、フルジオキソニルを含む農薬は1回、メタラキシル及びメタラキシルMを含む農薬は4回以内(種子粉衣及びは種前の塗沫処理は合計1回以内、は種後3回以内)です。えだまめ・いんげんまめ・あずきでは上限の内訳が異なるため、作物ごとに最新の適用表で確認してください。
処理した種子は、食用など農業以外の用途に使わないでください。製剤は乾燥しやすいため、開封後は早めに使用し、使い残しはキャップを密封して保管します。
眼に刺激性があるため、眼に入らないよう注意し、入った場合は直ちに水洗して眼科医の手当を受けてください。皮膚に弱い刺激性があるため、付着した場合は直ちに石けんでよく洗い落とします。使用の際は農薬用マスク、保護眼鏡、不浸透性手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用し、作業後は洗眼・うがいをして衣服を交換してください。かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。
水産動植物(甲殻類)に影響を及ぼすおそれがあるため、使用残液や容器の洗浄水等は河川等に流さないでください。容器・空袋等は圃場などに放置せず、適切に処理してください。
直射日光を避け、食品と区別して、なるべく低温な場所に密栓して保管してください。
普通物に区分されています。
殺虫成分チアメトキサムはIRACコード4A(ネオニコチノイド系)、殺菌成分はFRACコード12(フルジオキソニル)と4(メタラキシルM)です。種子処理のあとに茎葉散布をする場合は、それぞれ別の作用機構の剤を選んでください。
FRACは耐性リスクを「High」としています。ジャガイモ疫病菌では、青森県・長崎県でメタラキシル耐性菌が報告されています。ダイズ茎疫病菌については、米国イリノイ州の分離株はすべて感受性で(Cerritos-Garcia et al. 2022)、Gao et al.(2026)も圃場での耐性株はこれまで見つかっていないとしていますが、実験室内の短期間の継代で高度耐性株が得られたことから、ダイズ茎疫病菌もメタラキシル耐性のリスクが高いと示唆し、他の殺菌剤との混用・ローテーションを勧めています。
Kilani & Fillinger(2016)は、実験室では耐性株が得られても多くは強い適応度の低下を伴い、圃場での耐性の報告は限られるとしています。一方、三重県では野菜類の灰色かび病菌でフルジオキソニル感受性低下菌が確認されています(川上ら 2017、茎葉散布剤としての使用での結果)。
米国中北部のダイズアブラムシでは、2012年から2014年にかけて小さいながら感受性の低下が見られ、著者はネオニコチノイド処理種子による選択圧を下げる重要性を指摘しています(Ribeiro et al. 2018)。は種後にアブラムシ類などを防除する場合は、ネオニコチノイド系(4A)以外の系統を選んでください。
宮城県古川農業試験場のチアメトキサム使用実績のない圃場の第2世代成虫で、処理48時間後のLD50は体重1g当たり0.48〜0.59µgでした。今後、感受性低下が疑われたときの比較の基準値とされています。
成熟期には調査した52圃場すべてで発病が見られ、発病度が高いほど粗子実重・百粒重が減り、しわ粒率が増える関係がありました。
は種の直前に行ってください。乾燥種子1kg当たり原液8mLを量り、ミキサー、肥料混和機、ビニール袋などでむらなく色がつくようにすばやく混ぜます。処理後は種子を平らな容器や新聞紙などに広げて30分以上乾かし、よく乾いてから保存容器に移してください。いんげんまめなど乾きにくい豆は、ビニールシートや新聞紙の上に広げて乾かします。
いいえ、効果は生育初期の約1か月が目安のため、その後は発生状況に応じて茎葉散布が必要です。メーカーも、病害虫の発生状況によって追加散布をするよう案内しています。北海道の試験では、種子処理で紫斑病の子葉の発病は減りましたが、茎葉散布をしないと収穫した子実の汚染は減りませんでした。秋田県の試験では、黒根腐病が多発する条件では種子処理だけでは十分な効果が確認できず、株元散布との組み合わせで効果が高まりました。
はい、黒根腐病は登録の対象で、生育初期の感染を防ぐことで被害を軽くします。秋田県の試験では、種子処理だけの区の成熟期の発病度が8.1(無処理区19.8)で、防除価は59.1でした。農研機構は、本剤と同じ3成分の種子塗沫を黒根腐病の対策の一つとし、効果は生育期間を通して続くものではないものの、生育初期の感染を避けたり遅らせたりすることで重症化を防ぐと考えられるとしています。
食用や飼料など、農業以外の用途には使わないでください。製剤は乾燥しやすいため、開封後は早めに使い、使い残しはキャップを密封して保管してください。
3つの成分それぞれの総使用回数に、本剤の1回が含まれます。たとえばだいずでは、チアメトキサムを含む農薬は合計3回以内(は種前の塗沫処理1回以内、は種後2回以内)、フルジオキソニルを含む農薬は1回、メタラキシル及びメタラキシルMを含む農薬は合計4回以内(種子粉衣とは種前の塗沫処理で合計1回以内、は種後3回以内)です。作物ごとに上限が異なるため、必ず最新の適用表で確認してください。
だいず・えだまめでは、本剤に「ハト、キジバトによる種子食害忌避」の登録があります。使用量・時期・方法は病害虫の防除と同じ(乾燥種子1kg当たり原液8mL、は種前、塗沫処理)です。いんげんまめ・あずきには鳥害忌避の登録はありません。
他剤と混ぜるときは、1剤ずつ水に溶いてから次を加えます。乳剤と混ぜる場合は乳剤が先です。少ない水に2剤を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
