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最終確認:2026年10月3日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:シンジェンタ ジャパン株式会社技術資料ほか
セイビアーフロアブル20は、フルジオキソニルを有効成分とする、灰色かび病・菌核病・炭疽病に高い予防効果と長い残効を示すFRACコード12のフェニルピロール系殺菌剤です。他系統に耐性の灰色かび病菌にも効き、野菜・豆類・果樹・花きまで幅広い作物に登録があり、常温煙霧や苗浸漬にも使えます。
病原菌の細胞の中の水分バランスを調節するしくみを乱し、細胞を膨らませて壊します。作物の表面に保護層をつくり、胞子の発芽から植物への侵入までを防ぐ予防型の殺菌剤です。
灰色かび病・菌核病・炭疽病に高い予防効果と長い残効
灰色かび病・菌核病・炭疽病などに、発生前からの散布で高い予防効果を示し、効果が長く続きます。天候が急変して病原菌が一気に増えるような場面でも、予防的に散布しておくことで安定した効果を発揮します。
他系統に耐性の灰色かび病菌にも効き、耐性菌もほとんど出ていない
ベンゾイミダゾール系やジカルボキシイミド系などの剤が効きにくくなった灰色かび病菌にも、高い効果を発揮します。1996年の登録から長く使われていますが、2024年の栃木県の調査ではいちご・トマトの灰色かび病菌に耐性菌は見つからず、大阪府でも高い感受性が保たれています。
野菜・豆類・果樹・花きまで幅広い登録、煙霧や苗浸漬にも
トマト・なす・きゅうり・いちご・たまねぎ・ねぎ・キャベツ・はくさいなどの野菜、いんげん・さやえんどうなどの豆類、ぶどう・おうとう・びわなどの果樹、花き類・観葉植物まで、幅広い作物に使えます。なす・きゅうりの施設では常温煙霧、たまねぎでは定植直前の苗浸漬、ばれいしょでは種いもの浸漬もできます。
| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| いちご | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| いちご | 黒腐病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| いちご | 炭疽病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| いんげんまめ | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 3回以内 | 散布 |
| いんげんまめ | 菌核病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 3回以内 | 散布 |
| えだまめ | 赤かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| おうとう | 灰星病 | 1000~2000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| おうとう | 褐色せん孔病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| おうとう | 黒斑病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| おうとう | 炭疽病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| オリーブ | 炭疽病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| オリーブ(葉) | 炭疽病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫60日前まで | 2回以内 | 散布 |
| キャベツ | 株腐病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| キャベツ | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| きゅうり | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所 | 灰色かび病 | 33倍散布液量 10L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 常温煙霧 |
| きゅうり | 褐斑病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所 | 褐斑病 | 33倍散布液量 10L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 常温煙霧 |
| きゅうり | 菌核病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所 | 菌核病 | 33倍散布液量 10L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 常温煙霧 |
| きんせんか | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 発病前~発病初期 | 4回以内 | 散布 |
| きんせんか | 炭疽病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 発病前~発病初期 | 4回以内 | 散布 |
| さやいんげん | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| さやいんげん | 菌核病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| さやえんどう | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| さやえんどう | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| しそ | 菌核病 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| すいか | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| すいか | 炭疽病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| せんりょう | 炭疽病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 発病前~発病初期 | 4回以内 | 散布 |
| たまねぎ | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| たまねぎ | 灰色腐敗病 | 500倍散布液量 - | 定植直前 | 1回 | 5分間セル苗浸漬 |
| たまねぎ | 灰色腐敗病 | 500~1000倍散布液量 - | 定植直前 | 1回 | 5分間苗根部浸漬 |
| たまねぎ | 灰色腐敗病 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| たまねぎ | 黒腐菌核病 | 500~1000倍散布液量 - | 定植直前 | 1回 | 5分間苗根部浸漬 |
| たまねぎ | 小菌核病 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| トマト | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| トマト | 斑点病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| トマト | 立枯病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| なす | フザリウム立枯病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| なす適用場所 温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所 | フザリウム立枯病 | 33倍散布液量 10L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 常温煙霧 |
| なす | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| なす適用場所 温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所 | 灰色かび病 | 33倍散布液量 10L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 常温煙霧 |
| なす | 褐色斑点病 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| なす適用場所 温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所 | 褐色斑点病 | 33倍散布液量 10L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 常温煙霧 |
| にら | 白斑葉枯病 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| にんじん | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 3回以内 | 散布 |
| にんにく | 白斑葉枯病 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ねぎ | 黒腐菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ねぎ | 小菌核腐敗病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ねぎ | 白絹病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| はくさい | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| はくさい | 炭疽病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ばれいしょ | そうか病 | 200倍散布液量 - | 植付前 | 1回 | 種いも瞬間浸漬 |
| ピーマン | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ピーマン | 炭疽病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| びわ | 灰斑病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ふき | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| ぶどう | 灰色かび病 | 1000~2000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ぶどう | 黒とう病 | 1000~2000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ぶどう | 白腐病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ぶどう | 晩腐病 | 1000~2000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ぶどう | 綿房病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ブロッコリー | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ホワイトレースフラワー | 黄斑病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 発病前~発病初期 | 4回以内 | 散布 |
| ホワイトレースフラワー | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 発病前~発病初期 | 4回以内 | 散布 |
| マンゴー | 炭疽病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ミニトマト | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ミニトマト | 斑点病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| ミニトマト | 立枯病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| メロン | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| らっきょう | 灰色かび病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| わけぎ | 小菌核腐敗病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 3回以内 | 散布 |
| 花き類・観葉植物(きんせんか、ホワイトレースフラワーを除く) | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 発病前~発病初期 | 4回以内 | 散布 |
| 結球あぶらな科葉菜類(はくさい、キャベツを除く) | 菌核病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで 但し、メキャベツにあっては本葉切り落とし開始の前日まで | 3回以内 | 散布 |
| 食用ぎく | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| 食用金魚草 | 灰色かび病 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| 豆類(未成熟、ただし、えだまめ、さやいんげん、さやえんどうを除く) | 灰色かび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
作物名に「(〜を除く)」とある場合はかっこ内の作物がその行の適用範囲に含まれません。 例えば「かんきつ(みかんを除く)」の行に記載された希釈倍数・使用時期・使用回数はみかんに適用されません。 かっこ内の作物は独自の条件で別の行に登録されている場合があります。表内に該当する作物名の行があるかご確認ください。 該当する行がない場合は本剤に当該作物の登録はありません。
FRACコード:12(フェニルピロール系、浸透圧シグナル伝達のMAP/ヒスチジンキナーゼ阻害)
シンジェンタジャパンの技術資料(2023)によれば、フルジオキソニルは糸状菌の原形質膜の調節酵素(プロテインキナーゼ)の働きを阻害し、細胞の浸透圧バランスを乱します。その結果、細胞内のグリセロール濃度が上がって水分が過剰にたまり、細胞は膨らんで崩壊し、死滅すると考えられています。
Kilani・Fillinger(2016、総説)は、フルジオキソニルは菌類のグループⅢハイブリッドヒスチジンキナーゼ(HHK)を介して浸透圧シグナル伝達経路(HOG経路)を活性化し、菌糸の膨張・破裂を起こすとしています。プロテインキナーゼ阻害説は、阻害に必要な濃度が生育阻害濃度より最大100倍高く、支持されていないとしています。
Brandhorst ら(2019)は、フルジオキソニルがトリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)に作用してメチルグリオキサールを放出させ、これがHHKの働きを変えるというモデルを提案しています。作用機作の詳細は研究によって説明が異なります。
植物体への浸透移行性はなく、散布後、植物の表面で病原菌に接触して効果を発揮します。胞子の発芽、発芽管の伸長、付着器の形成、菌糸の侵入、菌糸の生育、病斑の伸展、胞子形成を阻害し、特に糸状菌の生育初期に強い抗菌活性を示します。クチクラワックス層になじんで保護層をつくるため、菌糸が侵入する前の予防散布が最も効果的とされています。
フェニルピロールは、土の中の細菌Pseudomonas pyrrociniaが産生する抗菌性物質ピロールニトリンに近い化合物です。ピロールニトリンは光で分解されやすかったため、チバガイギー社(現シンジェンタ社)が1980年代に光安定性と活性を改良した合成類縁体のフェンピクロニルとフルジオキソニルを開発しました(Kilani・Fillinger 2016)。本剤は1996年10月29日に登録されました。
フルジオキソニル20.0%のフロアブル(類白色水和性粘稠懸濁液体)で、有効年限は3年です。
MBC剤・ジカルボキシイミド系・N-フェニルカーバメート系への感受性の組み合わせが異なる灰色かび病菌6菌株で、フルジオキソニルのEC50はいずれも0.01ppm以下でした。
本剤は普通物です。製剤の急性経口LD50は5,000mg/kg超、経皮は2,000mg/kg超(ラット)で、皮膚・眼の刺激性、皮膚感作性はないとされています。水生生物(製剤)では、コイLC50 2.32mg/L超、オオミジンコEC50 46mg/L、緑藻ErC50 6.1mg/Lです。メーカーの試験では、ミツバチ(いちごに1000倍散布、50倍液の直接散布)、マルハナバチ、チリカブリダニ、オンシツツヤコバチ、コレマンアブラバチ、蚕(1000倍)に影響は見られませんでした。
多くの作物で1000〜1500倍(一部2000倍)を100〜300L/10a(果樹は200〜700L/10a)散布します。なす・きゅうりは、密閉できる施設で33倍を10L/10a常温煙霧できます。たまねぎは定植直前に5分間のセル苗浸漬(500倍)または苗根部浸漬(500〜1000倍)、ばれいしょは植付前の種いも瞬間浸漬(200倍)ができます。
多くの作物で3回以内です(にらは1回、花き類は4回以内など)。トマト・キャベツ・いんげんまめは種子への処理を含めて4回以内、たまねぎは定植前1回以内・定植後3回以内です。必ず最新の適用表で確認してください。
発生前からの予防散布を心がけてください。連用は避け、作用性の異なる剤と輪番で使用し、繰り返し使う場合は散布間隔を7日以上あけてください。換気による除湿、罹病した株・葉・花弁の除去などの耕種的防除も併用してください。ねぎでは、薬液がねぎを伝って茎盤部まで届くよう、300L/10aで株全体に散布するのが望ましいとされています。
散布液を調製するときは、ビンを数回振って中の成分をかき混ぜてから薬量を計ってください。調製した薬液は当日に使い切ってください。
専用の常温煙霧機を使い、装置の選定・使用は病害虫防除所などの指導を受けてください。作業はできるだけ夕方に行い、終了後6時間以上密閉し、開放後十分換気してから入室してください。煙霧が直接植物に当たると葉や果実が汚れるおそれがあるので、噴頭部を施設上部に設置するなどしてください。
眼に弱い刺激性があるため、眼に入らないよう注意し、入った場合は直ちに水洗してください。使用の際は保護眼鏡、不浸透性手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。
水源池、河川、養殖池などに飛散・流入しないよう十分注意してください。空ビンや散布器具の洗浄液は水系へ流さず、浸漬後の薬液も適切に処理してください。
直射日光を避け、なるべく低温で乾燥した場所に食品と区別し、密栓して保管してください。
普通物に区分されています。
FRACコード12(フェニルピロール系)の殺菌剤です。FRACは、耐性事例は散発的で低〜中リスクとしています。国内の灰色かび病菌では、2024年の栃木県の調査で耐性菌0%でしたが、三重県では感受性がやや低下した菌も確認されています。
川上ら(2017)は対策として、フルジオキソニルの散布の間に他のFRACコードの殺菌剤を散布するローテーション、メパニピリム(FRACコード9)との近接散布の回避、保護殺菌剤との混用、発病前の予防散布、湿度を高めない栽培管理を挙げています。
実験室では耐性株が容易に得られるものの、多くは生育や病原性が低下します。圃場では、中国の灰色かび病菌で低頻度(3%未満)の耐性株が報告されています。
予防的に使う剤なので、発病後の散布では効果が安定しません。植物の中に移行しないため、病原菌が入り込む前の散布が最も効果的です。メーカーの試験では、キャベツ菌核病で接種2日後に散布すると、病斑の広がりを抑える効果が56%にとどまりました。宮城県のキュウリ褐斑病の試験でも、感染した後の散布では効果がありませんでした。
薬液が乾いていれば雨に強い剤です。成分が葉の表面のワックスとなじんで流れ落ちにくく、メーカーの試験では散布2時間後に雨が降っても効果は落ちませんでした。ただし、散布20分後の雨では効果が下がったので、散布直後の雨は避けてください。
病害や条件によりますが、10日以上続く試験結果が多くあります。宮城県のキュウリ褐斑病の試験では10日間、三重県のトマト灰色かび病の試験では1回の散布で約4週間効果が続きました。繰り返し使う場合は、散布間隔を7日以上あけてください。
連用は避け、作用性の異なる剤とローテーションで使ってください。三重県では2012〜2016年に、灰色かび病菌でフルジオキソニルへの感受性がやや低下した菌が見つかっています(実用濃度では効果あり)。これらの菌は他の系統の剤にも効きにくい可能性があるとされています。
レタスに薬害を生じるおそれがあるので、付近にある場合もかからないよう注意してください。ぶどうは小豆大以降の散布で果粉が落ちるおそれ、おうとうは着色期以降の散布で果実が汚れるおそれがあります。カラーと花はすでは、湛水状態で使わず、使用後14日間は入水しないでください。
メーカーは、ミツバチ・マルハナバチ・蚕・チリカブリダニなどへの影響はほとんどないとしています。メーカーの試験では、オンシツツヤコバチやコレマンアブラバチにも異常は見られませんでした。授粉昆虫や天敵を使う栽培でも使いやすい剤です。
薬液が固まるおそれがあるので、他の薬剤とは混用しないでください。処理した種いもはよく風乾してから植え付け、食用や飼料には使わないでください。
他剤と混ぜるときは、1剤ずつ水に溶いてから次を加えます。乳剤と混ぜる場合は乳剤が先です。少ない水に2剤を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
