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最終確認:2026年8月31日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:日本曹達株式会社技術資料ほか
この農薬と一緒に使いやすい農薬です

ヨーバルフロアブル
¥3,190〜「だいこん」に使える殺虫剤です。病気と害虫をあわせて防除できます。

ランマンフロアブル
¥1,230〜同じ「だいこん」に使える、作用の仕組み(RAC)が異なる殺菌剤です。交互に使うと薬剤への抵抗性がつきにくくなります。
ピシロックフロアブルはピカルブトラゾクスを有効成分とする殺菌剤で、べと病・疫病・ピシウム病など卵菌類由来の病害に高い効果を持ちます。既存剤に対する耐性菌にも有効で、予防効果が主体、浸達性も持ち合わせます。一方、うどんこ病・灰色かび病など糸状菌による病害には活性を示しません。
本剤は病原菌の細胞膜の材料であるリン脂質を減らし、細胞膜や内部の構造を壊します。卵菌類という一群の病原菌に絞って効きます。
卵菌類由来の病害に高い効力
べと病・疫病・ピシウム病など、卵菌類が原因の病害に高い効果を発揮します。うどんこ病・灰色かび病など糸状菌(真菌)による病害には活性を示さないため、対象を選んで使う薬剤です。
新規系統による、耐性菌への高い対応力
テトラゾリルオキシム系という新しい系統の作用機構を持つため、既存の殺菌剤に対する耐性菌にも効果が期待できます。 QoI剤・CAA剤・フェニルアミド系の各耐性菌に対しても感受性菌とほぼ同等の効果を示すことが確認されています。
予防効果主体、浸達活性も兼ね備える
発病前からの予防散布で真価を発揮する薬剤です。葉の表側から散布しても裏側まで成分が届く浸達活性もあり、散布ムラがあっても効果が期待できます。
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| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| いちご | 疫病 | 500倍散布液量 50~100mL/株 | 開花前まで | 2 | 灌注 |
| いちじく | 疫病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| うり類 | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| うり類 | 褐色腐敗病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| かぶ | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| かぶ | 白さび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| かんきつ | 褐色腐敗病 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| さといも | 疫病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| さといも | 疫病 | 16倍散布液量 3.2L/10a | 収穫前日まで | 3 | 無人航空機による散布 |
| さといも | 疫病 | 8倍散布液量 1.6L/10a | 収穫前日まで | 3 | 無人航空機による散布 |
| せんきゅう | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| だいこん | ワッカ症 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| だいこん | ワッカ症 | 8倍散布液量 1.6L/10a | 収穫前日まで | 2 | 無人航空機による散布 |
| だいこん | 白さび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| だいこん | 白さび病 | 8倍散布液量 1.6L/10a | 収穫前日まで | 2 | 無人航空機による散布 |
| てんさい | 苗立枯病 | 500~1000倍散布液量 ペーパーポット1冊当り1L(3L/m2) | は種時~定植前 | 2 | 土壌灌注 |
| なす | 褐色腐敗病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| はくさい | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| はくさい | ピシウム腐敗病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| はくさい | 白さび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| はなやさい類 | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| はなやさい類 | べと病 | 8倍散布液量 1.6L/10a | 収穫前日まで | 2 | 無人航空機による散布 |
| ほうれんそう | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| ほうれんそう | 根腐病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| ほうれんそう | 立枯病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| みつば | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで 但し、伏せ込み栽培は伏せ込み前まで | 2 | 散布 |
| アスパラガス | 疫病 | 500倍散布液量 3L/m2 | 収穫前日まで | 3 | 灌注 |
| キャベツ | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| キャベツ | べと病 | 16倍散布液量 3.2L/10a | 収穫前日まで | 3 | 無人航空機による散布 |
| キャベツ | べと病 | 8倍散布液量 1.6L/10a | 収穫前日まで | 3 | 無人航空機による散布 |
| キャベツ | ピシウム腐敗病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| セルリー | 疫病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| トマト | 疫病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| ピーマン | 疫病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| ミニトマト | 疫病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| レタス | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| 花き類・観葉植物 | 根腐病 | 500倍散布液量 3L/m2 | 発病前 | 5 | 灌注 |
| 花き類・観葉植物 | 立枯病 | 500倍散布液量 3L/m2 | 発病前 | 5 | 灌注 |
| 花き類・観葉植物 | 腐敗病 | 500倍散布液量 3L/m2 | 発病前 | 5 | 灌注 |
| 非結球あぶらな科葉菜類 | 白さび病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| 非結球レタス | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| 鱗茎類 | べと病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
| 鱗茎類 | べと病 | 16倍散布液量 3.2L/10a | 収穫前日まで | 3 | 無人航空機による散布 |
| 鱗茎類 | べと病 | 8倍散布液量 1.6L/10a | 収穫前日まで | 3 | 無人航空機による散布 |
| 鱗茎類(根物) | 白色疫病 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 3 | 散布 |
FRACコード:U17(新規系統、テトラゾリルオキシム系、作用点不明〔推定:トレハラーゼ阻害〕)
病原菌(Pythium aphanidermatum)の生活環における阻害点を調べた研究では、本剤は卵胞子発芽阻害、菌糸伸長阻害、被のう胞子発芽阻害、被のう化阻害、遊走子形成阻害、造卵器形成阻害という、生活環の複数の段階を阻害することが確認されています。作用機作の検討では、処理した菌糸を光学顕微鏡で観察すると、無処理と比較して菌糸が多分岐・膨潤する異常な形態を示しました。
リン脂質をHPLCで分析したところ、ホスファチジルエタノールアミン(PE)・ホスファチジン酸(PA)・ホスファチジルイノシトール(PI)・ホスファチジルコリン(PC)・ホスファチジルセリン(PS)のいずれもリン脂質量が減少していました。また電子顕微鏡による観察では、細胞膜の剥離・液胞膜の崩壊が見られています。
これらから、リン脂質の減少が細胞膜の脂質二重膜構造に影響を引き起こすと考えられています。
生活環における定量的な作用点データでは、卵胞子の発芽、菌糸伸長(EC50値0.001ppm以下)、被のう胞子の発芽、遊走子形成(EC50値0.0001ppm以下)を阻害することが確認されており、特に遊走子形成阻害が極めて低濃度で起きる点は、本剤の高い活性を裏付けています。トマト疫病菌(Phytophthora infestans)に対しては、被のう胞子の発芽と菌糸の伸長の2段階を阻害することが確認されています。
耐性菌に対する効果では、キュウリべと病菌でのポット試験で、QoI剤耐性菌(EC50 100ppm超)に対しても本剤はEC50 0.3ppmと感受性菌(0.4ppm)と同等の効果を示しました。ブドウべと病菌でのリーフディスク法試験でも、CAA剤耐性菌(欧州で発生した菌株、EC50 30.5ppm)に対して本剤はEC50 1.2ppmと感受性菌(1.1ppm)とほぼ同等の効果を示し、フェニルアミド(PA、RNAポリメラーゼI阻害剤)耐性菌(EC50 100ppm超)に対しても同様にEC50 0.3ppmという結果が得られています。
呼吸阻害活性がなく、フェニルアミド系剤およびQoI剤耐性のキュウリべと病菌に交差耐性が認められないことから、既存剤とは異なる作用機構を持つと推測されています。
有効成分ピカルブトラゾクスは、日本曹達株式会社が開発したテトラゾリルオキシム系の新規殺菌成分です。2011年からNF-171フロアブルの試験番号で日本植物防疫協会を通じて委託試験を開始し、2014年9月に登録申請、平成29年(2017年)7月18日に農薬登録されました。ピカルブトラゾクスを有効成分とする製品としては、イネ用の「ナエファインフロアブル」「ナエファイン粉剤」、園芸用の「ピシロックフロアブル」(本剤)、芝用の「クインテクト顆粒水和剤」の4剤が開発・上市されています。
いずれも「NF-171」という共通の試験コード名を持ち、対象作物・剤型・登録取得時期の異なる複数の製品として段階的に展開されてきました。ナエファインフロアブル・粉剤は1成分でピシウム菌・フザリウム菌・リゾープス菌由来という3つのイネ苗立枯病に防除効果を持つ薬剤とされています。
物理化学的性質は、CAS登録番号500207-04-5、分子式C20H23N7O3、分子量409.44、融点136.6〜138.7℃、水溶解度0.333mg/L(20℃)、蒸気圧1.2×10⁻⁷Pa未満(50℃)、オクタノール/水分配係数(Log Pow)4.16(25℃)です。
キャベツべと病菌、キュウリべと病菌、ショウガ根茎腐敗病菌、野菜類苗立枯病菌、スイカ褐色腐敗病菌、ダイコン白さび病菌、タマネギべと病菌、テンサイ苗立枯病菌、トマト疫病菌、ハクサイべと病菌、ブロッコリーべと病菌、ホウレンソウべと病菌、ミョウガ根茎腐敗病菌、メロンべと病菌、レタスべと病菌、イネ苗立枯病菌、シバ赤焼病菌、シバビシウム病菌など、卵菌類には幅広く活性があります。
一方、キュウリ灰色かび病菌、テンサイ褐斑病菌、トマト輪紋病菌、イネ紋枯病菌、カンキツ黒点病菌、リンゴ炭疽病菌といった糸状菌(真菌)由来の病害には活性を示しません。
予防効果試験では0.4〜50ppmのいずれの濃度でも接種6日後の防除価が高い水準を維持しました。潜伏感染防除試験(散布→接種、接種→散布の両順序)でも1.6〜50ppmで防除価が高く維持されました。残効性試験では6.3ppm・25ppmのいずれも20日後接種まで防除価が高い水準を保ちました。浸達性試験(葉表面に散布後、葉裏面へ滴下接種)でも高い防除価を示しました。
施設栽培キュウリでの残効期間の実測では、散布後20日時点で本剤は防除価約70を維持し、対照薬剤(約25)より低下が緩やかでした。
キャベツべと病では発病度が1000倍8.9に対し対照薬剤51.2・無処理77.8、はくさいべと病では発病度が1000倍0に対し対照薬剤0.3・無処理46.9、だいこん白さび病では発病度が1000倍0.0に対し対照薬剤20.4・無処理80.8という結果が得られています。委託試験の総合判定(実用性評価A〜D)では、だいこん白さび病は複数の試験地・年次にわたり全て最高評価(A)を得ており、はくさい・ブロッコリー・ほうれんそう・キャベツでも高い評価が安定しています。
一方、すいか褐色腐敗病・トマト疫病はやや評価にばらつきがあり、他剤との体系防除を組み合わせる余地がある作物と考えられます。
岐阜県内の養液栽培現場で問題となっているピシウム属菌(低温条件下で強い病原性を示す種)による発病抑制効果を検証したポット試験では、本剤500倍液の灌注処理により、無処理接種区と比較して根部褐変程度が有意に低下しました。鉢上げ直後(接種10日前)の処理でも効果が認められたことから、10日以上の残効があると考察されています。
ただしこの試験結果は研究段階のデータであり、トマト根腐病そのものへの農薬登録上の適用があるわけではない点にご留意ください。登録内容は最新の適用表で確認してください。
急性経口毒性(ラット♀)LD50は2,000mg/kg超、急性経皮毒性(ラット♂♀)LD50も2,000mg/kg超、皮膚刺激性はなし、眼刺激性はごく弱く、皮膚感作性はなし、変異原性は陰性です。水産動植物への影響はコイLC50(96h)1,000mg/L超、ミジンコEC50(48h)125mg/L、藻類ErC50(72h)155mg/Lです。
本剤は予防効果の高い薬剤です。発病前から発病初期、また発病が治まってから使用すると効果的とされています。発病前〜初発直後は本剤やその他薬剤の体系散布で発病を抑え、発病が進行したら治療的薬剤で進行を抑え、発病が治まってきたら本剤の体系散布に戻すという3段階の使い分けが推奨されています。
過度の連用を避け、なるべく作用機構の異なる薬剤との輪番使用を心がけてください。
苗立枯病(ビシウム菌/アファノミセス菌)には、は種後8〜15日頃(発芽率50%の頃)の1回目処理と、1回目から7日後の2回目処理という土壌灌注の使い分けが推奨されています。
本剤を使用しただいこんは、間引き菜・つまみ菜(間引いた若い葉)として食べないでください。収穫するだいこん(根)は対象外です。
みずかけな(水掛菜)に使用する場合は、ほ場に水がない状態で使用し、使用後14日間は入水しないでください。カラー、花はすに使用する場合も、湛水状態で使用せず、使用後14日間は入水しないでください。
使用する場合は、散布機種の散布基準の遵守、適合した散布装置の使用、事前点検、周辺への飛散防止など複数の注意事項が定められています。
FRACコードU17(テトラゾリルオキシム系)に属する成分です。既存の殺菌剤に対する耐性菌(QoI剤耐性、CAA剤耐性、フェニルアミド系耐性)にも効果が期待できるため、ローテーション防除の1剤として活用できます。過度の連用は避け、作用機構の異なる薬剤との輪番使用を心がけてください。
※この農薬で登録されている作物と対象病害虫です。
耐雨性に優れています。散布後150〜200mmという多量の降雨条件でも有効だった事例があり、複数の実圃場データでも対照薬剤より防除価の低下が緩やかであることが確認されています。
白さび病菌の胞子が、だいこんの葉から根の地際部分へ移動して発症する症状で、感染から発症まで20日程度かかり、十分肥大した根にのみ現れます。白さび病そのものを防除して菌の地際部への移行・感染を防ぐことが重要で、間引き後10〜15日後、20〜30日後の計2回散布が推奨されています。
多くの適用作物で収穫前日まで使用できます。作物ごとの正確な収穫前日数は登録内容を確認してください。
散布後の果実汚染が少ない製剤特性を持っており、見た目への影響が少ない薬剤です。
有用生物や天敵への影響が少なく、総合的病害虫管理(IPM)に適した薬剤とされています。
本剤を使用しただいこんは、つまみ菜・間引き菜として食用に供さないでください。みずかけな(水掛菜)に使用する場合は、ほ場に水がない状態で使用し、使用後14日間は入水しないでください。カラー、花はすでも同様に、湛水状態で使用せず、使用後14日間は入水しないでください。
本剤を使用しただいこんは、間引き菜・つまみ菜(間引いた若い葉)として食用にすることはできません。収穫するだいこん(根)は問題ありません。
他剤と混ぜるときは、1剤ずつ水に溶いてから次を加えます。乳剤と混ぜる場合は乳剤が先です。少ない水に2剤を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
