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最終確認:2026年8月31日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:BASFジャパン株式会社技術資料ほか
フィールドスター乳剤はジメテナミドを有効成分とするクロロアセトアミド系の除草剤で、イネ科雑草を中心に幅広い雑草に効く土壌処理型です。雑草が発生する前に散布し、イヌビエでは40日以上の長い残効性を示します。キャベツ・だいず・とうもろこし・飼料用とうもろこしで使えます。
本剤は雑草が細胞膜を作るのに必要な脂肪酸の合成を止めます。発芽から初期生育の段階で生育を抑える土壌処理剤です。
イネ科雑草を中心に幅広い殺草スペクトラム
ノビエ・メヒシバ・オヒシバ等の一年生イネ科雑草に加え、スベリヒユ・ノボロギク・イヌビユ等の広葉雑草にも高い効果を示します。ただしシロザ・タデ類・アブラナ科の一部は効果が劣ります。
雑草発生前に効く土壌処理剤、長い残効性
雑草発生前に土壌処理として使用し、発芽・初期生育段階の雑草を抑制します。本剤自身の土壌残効性試験(ポット試験)ではイヌビエに対し40日以上、アオビユに対し約35日程度の残効期間が確認されています。
キャベツ・だいず・とうもろこし系への幅広い適用
野菜(キャベツ)、豆類(だいず)、とうもろこし・飼料用とうもろこしという畑作物の主要品目に登録があり、適用地帯も全域です。
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| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| だいず | 畑地一年生雑草 | 100~150mL/10a散布液量 100L/10a | は種後発芽前(雑草発生前) | 1 | 全面土壌散布 |
| とうもろこし | 畑地一年生雑草 | 100~150mL/10a散布液量 100L/10a | は種後発芽前(雑草発生前) | 1 | 全面土壌散布 |
| キャベツ | 畑地一年生雑草 | 75~100mL/10a散布液量 100L/10a | 定植後 雑草発生前(定植後10日まで) | 1 | 全面土壌散布 |
| 飼料用とうもろこし | 畑地一年生雑草 | 100~150mL/10a散布液量 100L/10a | は種後発芽前(雑草発生前) | 1 | 全面土壌散布 |
HRACコード:15(超長鎖脂肪酸〔VLCFA〕合成阻害、クロロアセトアミド系)
有効成分ジメテナミドは、チオフェン骨格を持つクロロアセトアミド系の除草成分であり、雑草の細胞分裂・伸長に必要な超長鎖脂肪酸の合成を阻害することで、主に発芽・初期生育段階の雑草を抑制する土壌処理型の除草成分です。酸アミド系の非ホルモン・吸収移行型の除草剤で、雑草の幼芽部および幼根部より吸収されます。イネ科雑草の2葉期まで効果を示しますが、効果を安定させるには雑草発生前に時期を失しないよう散布する必要があります。
本剤の有効成分ジメテナミドは、光学異性体であるR体とS体を等量含む混合物(ラセミ体)です。しかし除草効果を示すのは主にS体(=ジメテナミドP)の方であり、R体は除草活性にほぼ寄与しません。つまり本剤の有効成分濃度79.4%のうち、実際に除草活性を持つのはおおむね半分(S体相当分)にとどまると解釈できます。
学術文献ではジメテナミドの分子は通常の不斉炭素に加えて「キラル軸」(回転による立体配座の違いに由来する軸性キラリティー)も持つ、やや特殊な構造をしていることが示されています。理論上は4種の立体異性体が存在しますが、キラル軸まわりの回転エネルギー障壁が低いためラセミ化が進みやすく、実際には2種のジアステレオマー混合物として市販されています。
このうちS体が優れた除草活性を示すことが判明し、S体のみを有効成分としたジメテナミドP(後継品フィールドスターP乳剤の有効成分)が開発されました。
本剤「フィールドスター乳剤」(登録番号21823)は平成18年(2006年)10月18日付でBASFジャパン株式会社が農薬登録を取得しています。除草活性を持つのは主にS体であることが判明したことを受け、S体のみを有効成分とした後継品フィールドスターP乳剤が開発され、2010年8月10日付で農薬登録されました。
ジメテナミドPは低毒性で発がんリスクがなく、環境への負荷が少ないとされ、ラセミ体(本剤)の半分の薬量で同等の効果を発揮します。
クロロアセトアミド系除草剤は20年以上にわたり広範に実用使用されてきたにもかかわらず、抵抗性雑草の出現事例が比較的少ないとされています。標的酵素(VLCFA合成酵素)の活性部位のシステイン残基が高度に保存されており、阻害剤結合能を失わずに酵素活性を維持する変異が生じにくいことなどが理由に挙げられています。学術文献ではジメテナミドがグリホサート抵抗性雑草種にも有効とされています。
一年生イネ科雑草(ノビエ、メヒシバ、オヒシバ、エノコログサ、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ)にはいずれも高い効果(◎)を示します。一年生広葉雑草ではカヤツリグサ・スベリヒユ・ノボロギク・イヌビユが◎、ハキダメギク・オオイヌノフグリが◎〜○、タデ類・ハコベ・タカサブロウ・ナズナが○〜△、シロザ・イチビが△〜×と、草種によって効果に差があります。
シロザ・タデ類・アブラナ科などの一部広葉雑草には効果が劣るため、これらが多発する圃場では広葉雑草に有効な他の除草剤との組み合わせが推奨されます。
本剤(150mL/10a)を用いた土壌中残効性試験(ポット試験)では処理直後および7日おきに雑草種子をは種し、は種14日後の地上部生体重を無処理区と比較する方法で評価されました。壌土中の残効期間は、イヌビエに対し40日以上、アオビユに対し約35日程度と認められています。
ジメテナミドPの化学合成には2つのルートが特許化されていますが、いずれもキラル原料コストや異性体分離の難しさという課題が残ります。より持続可能な代替法として酵素触媒を用いた不斉アミノ化反応によるバイオ合成法の研究も進められています。こうした製造上の制約が、S体のみを取り出すことの技術的・コスト的な難しさを反映しており、本剤(ラセミ体)と後継品フィールドスターP乳剤(S体のみ)が併存する背景の一因になっていると考えられます。
雑草発生前(発芽後では効力が劣る)に散布してください。
覆土深は2〜3cm以上を確保し、砕土・整地を丁寧に行い種子が露出しないようにしてください。処理薬量は必ず守り、砂質がかった土壌や礫が多い圃場では低めの薬量で使用してください。希釈水量を守り均一散布してください(重複散布は薬害のおそれがあります)。散布直後の大雨に注意し、天候を見極めてから散布してください。
適用土壌は「砂土を除く全土壌」に限定されています。砂質土壌では土壌中の移行性が比較的大きくなるため、使用を避けてください。
本剤はジメテナミド及びジメテナミドPを含む農薬であるため、それらの成分を含む他の農薬の使用回数と合わせ、総使用回数(いずれの作物も1回)の範囲内で使用してください。
使い残りの本剤に後継品フィールドスターP乳剤を混ぜて使用することは控えてください。両剤は使用薬量等が異なるため、混用すると規定用量から外れるおそれがあります。
普通物に区分されています。
HRACコード15(VLCFA合成阻害剤)に属する成分です。クロロアセトアミド系は長期使用でも抵抗性が生じにくいクラスとして知られていますが、同一場所での長期連用は避け、他の作用機構を持つ除草剤とのローテーションも組み合わせることをおすすめします。
※この農薬で登録されている作物と対象病害虫です。
濃度自体は高いですが、本剤の有効成分ジメテナミドはR体・S体を等量含むラセミ体で、実際に除草活性を持つのは主にS体分にとどまります。つまり79.4%という表示濃度がそのまま活性の高さを意味するわけではありません。後継品フィールドスターP乳剤は、この活性本体(S体)のみを取り出すことで、より少ない成分量で同等の除草効果を発揮する設計になっています。
本剤(先発品、2006年登録)はR体・S体等量混合のラセミ体、フィールドスターP乳剤(後継品、2010年登録)は除草活性を持つS体のみを成分とした製品です。使用薬量が異なるため、使い残りの本剤に後継品を混ぜて使用しないでください。
対象雑草は「畑地一年生雑草(アカザ科・アブラナ科・タデ科を除く)」であり、シロザ(アカザ科)等、防除できない科が明記されています。これらが多発する圃場では広葉雑草に有効な他の除草剤との組み合わせでの使用が推奨されます。
適用土壌は「砂土を除く全土壌」に限定されています。砂質土壌では土壌中の移行性が比較的大きくなるため、使用を避けてください。
覆土深は2〜3cm以上を確保し、種子が露出しないよう砕土・整地を丁寧に行ってください。処理薬量は必ず守り、砂質がかった土壌や礫が多い圃場では低めの薬量を選んでください。散布直後の大雨にも注意し、天候を見極めてから散布してください。
学術文献ではジメテナミドはグリホサート抵抗性雑草種にも有効とされています。またクロロアセトアミド系(HRACコード15)は長期の実用使用にもかかわらず抵抗性雑草の出現事例が比較的少ないクラスとして知られています。
他剤と混ぜるときは、先にこの乳剤を薄めてから水和剤・フロアブル剤を加えます。少量の水に両方を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
