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最終確認:2026年10月3日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社技術資料ほか
コロマイト乳剤は、ミルベメクチンを有効成分とする、ハダニ類の卵から成虫まで全ステージに速効的に効くIRACコード6のマクロライド系殺ダニ剤です。土の中の放線菌がつくる天然物由来の成分で有機JASに適合した農業でも使え、サビダニ類・チャノホコリダニ、ハモグリバエ類・コナジラミ類の幼虫にも効きます。
ダニや害虫の神経の信号を伝える部分に作用し、神経の働きを抑えて麻痺させます。ハダニは動かなくなって静かに死んでいき、死にきらなかった個体も産卵が抑えられます。
有機JAS適合、放線菌由来の天然物系殺ダニ剤
北海道の土の中の放線菌がつくる成分を、化学的に変えずに精製した天然物由来の殺ダニ剤で、有機JASに適合した農業でも使えます。散布した成分は作物の上で速やかに分解されます。
ハダニの卵から成虫まで全ステージに効く
ハダニの卵・幼虫・若虫・成虫のどのステージにも高い効果を示します。サビダニ類やチャノホコリダニにも効き、ハダニ類とまとめて防除できます。
速効性に優れ、ダニの密度を一気に下げる
散布するとすぐに効き始め、ハダニやサビダニの密度を短期間で大きく下げます。ハダニは動かなくなって静かに死んでいくため、体の色が変わらず一見生きているように見えることがあります。
| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| あしたば適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| あずき適用場所 - | ハダニ類 | 1000~2000倍散布液量 100~150L/10a | 収穫14日前まで | 2回以内 | 散布 |
| アスパラガス適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| いちご(親株床)適用場所 - | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 仮植前まで | 2回以内 | 散布 |
| いちじく適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| いんげんまめ適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| えごま(葉)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| エンサイ適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| おうとう適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| かんしょ適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きく適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | - | 2回以内 | 散布 |
| きく適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | - | 2回以内 | 散布 |
| きく(葉)適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きく(葉)適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 - | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 - | チャノホコリダニ | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 - | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり(花)適用場所 - | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり(花)適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり(葉)適用場所 - | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| きゅうり(葉)適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| コリアンダー(葉)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| さといも適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| さといも(葉柄)適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| さんしょう(葉)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| ししとう適用場所 - | コナジラミ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| しそ適用場所 - | サビダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| しそ適用場所 - | チャノホコリダニ | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| しそ適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| しそ(花穂)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| しそ科葉菜類(えごま(葉)、しそを除く)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| しょくようほおずき適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| すいか適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| せり(水耕栽培)適用場所 ガラス室等の施設 | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| せり科葉菜類(みつば、コリアンダー(葉)、セルリー、せり(水耕栽培)、あしたばを除く)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 1回 | 散布 |
| セルリー適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2回以内 | 散布 |
| せんぶり適用場所 - | シクラメンホコリダニ | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| だいず適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| トマト適用場所 - | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| トマト適用場所 - | トマトサビダニ | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| トマト適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| なし適用場所 - | ニセナシサビダニ | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| なし適用場所 - | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| なす適用場所 - | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| なす適用場所 - | チャノホコリダニ | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| なす適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| なす適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| なんてん(葉)適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| ネクタリン適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| ネクタリン適用場所 - | モモサビダニ | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| はすいも(葉柄)適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| パパイヤ適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| ピーマン適用場所 - | コナジラミ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| ピーマン適用場所 - | チャノホコリダニ | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| ピーマン適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| ふだんそう適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| みつば適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで ただし、伏せ込み栽培は伏せ込み前まで | 2回以内 | 散布 |
| ミニトマト適用場所 - | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| ミニトマト適用場所 - | トマトサビダニ | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| ミニトマト適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| みょうが(花穂)適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~400L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布、但し花穂の発生期にはマルチフィルム被覆により散布液が直接花穂に飛散しない状態で使用する。 |
| みょうが(茎葉)適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~400L/10a | みょうが(花穂)の収穫前日まで 但し、花穂を収穫しない場合にあっては開花期終了まで | 2回以内 | 散布 |
| メロン適用場所 - | コナジラミ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| メロン適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| メロン適用場所 - | ハモグリバエ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| もも適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| もも適用場所 - | モモサビダニ | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫7日前まで | 1回 | 散布 |
| モロヘイヤ適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| やまのいも適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~500L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| やまのいも(むかご)適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~500L/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 |
| りんご適用場所 - | キンモンホソガ | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| りんご適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| りんご適用場所 - | ユキヤナギアブラムシ | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| りんご適用場所 - | リンゴサビダニ | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 甘長とうがらし適用場所 - | コナジラミ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 宿根かすみそう適用場所 - | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~200L/10a | - | 2回以内 | 散布 |
| 小粒核果類適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 200~700L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用エキザカム適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用カーネーション適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用せんにちこう適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用トレニア適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用なでしこ適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| 食用パンジー適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用プリムラ適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 1回 | 散布 |
| 食用へちま適用場所 - | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| 食用ミニバラ適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| 食用金魚草適用場所 - | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| 豆類(未成熟)適用場所 - | ハダニ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
作物名に「(〜を除く)」とある場合はかっこ内の作物がその行の適用範囲に含まれません。 例えば「かんきつ(みかんを除く)」の行に記載された希釈倍数・使用時期・使用回数はみかんに適用されません。 かっこ内の作物は独自の条件で別の行に登録されている場合があります。表内に該当する作物名の行があるかご確認ください。 該当する行がない場合は本剤に当該作物の登録はありません。
IRACコード:6(アベルメクチン系・ミルベマイシン系〔マクロライド系〕、グルタミン酸作動性クロライドチャネルアロステリックモジュレーター)
Riga et al.(2017)は、ミルベメクチンとアバメクチンはグルタミン酸作動性クロライドチャネル(GluCl)とGABA作動性クロライドチャネルの両方を標的とし、GluClが主な標的と考えられているとしています。開発元の総説(青木ら 1994)は、昆虫やハダニに特有の抑制性神経伝達にかかわる部分に作用して神経伝達を抑えるとし、哺乳動物にはこのような神経‐筋接合部がないことが大きな選択毒性の原因と考えられるとしています。
青木ら(1994)によれば、ハダニに処理すると速効的に作用し高い接触毒性を示し、経口的に与えても高い殺ダニ活性を示すことから、接触毒と食毒の両方で効きます。処理されたハダニは麻痺して死に至り、有機リン剤のように体が乾燥萎縮することはなく、体は膨潤して飴色になります。致死に至らなかった個体は転倒や歩行異常となり、産卵が抑制されます。
ミルベメクチンは、16員環マクロライド骨格を持つミルベマイシンA3とA4の混合物(約3対7)です。
茶葉に処理したミルベメクチンは速やかに分解し、半減期は1日以内でした。処理葉から未処理葉への移行性はありません。土壌では、好気的な畑地条件での半減期は10〜15日で、溶脱試験では土壌表層にとどまりました。コイでの生物濃縮係数は26〜54倍と低く、生物濃縮性はきわめて低いとされています。
1969年、北海道・倶知安町の土壌から分離した放線菌(Streptomyces hygroscopicus subsp. aureolacrimosus)の培養液に、抗菌活性はないが高い殺ダニ活性を持つ物質が見つかり、1974年にミルベマイシン(ミルベ=ドイツ語でダニ)と命名されました。菌株の改良と培地の検討でミルベマイシンA3・A4を高い収率で生産できるようになり、1986年度から公的試験が始まり、コロマイト乳剤は1993年7月21日に登録されました。
開発元の研究は日本農薬学会の業績賞を受賞しています。技術資料は、精製工程で化学変換はしていないとしています。
ミルベメクチン1.0%の乳剤(淡黄色澄明可乳化油状液体)で、有効年限は5年です。1000倍希釈液の有効成分濃度は10ppmです。
ナミハダニのステージ別LC50は、卵3.3ppm、幼虫1.0ppm、第1若虫1.3ppm、第2若虫1.8ppm、成虫4.7ppmで、卵・孵化幼虫・若虫・成虫の全期間にきわめて高い活性を示しました。主要ハダニ4種の成虫・卵に対するLC50は、カンザワハダニ0.7・1.5ppm、ナミハダニ4.7・3.3ppm、ニセナミハダニ2.7・2.0ppm、ミカンハダニ0.05・4.6ppmでした。
静岡県の茶園のカンザワハダニ6個体群(2019〜2020年採集、1000倍)では、雌成虫の補正死亡率はすべて100%、卵は98.1〜100%でした(村上ら 2024。茶は本剤の登録作物ではありません)。
有効成分10ppmを散布した葉に散布7日後・10日後に放したカンザワハダニの雌の産卵数は0.21・0.40個(無処理6.64・7.53個)で、致死量以下でも産卵が抑えられ、次世代に影響を与えるとしています。葉上での半減期は1日以内ですが、いちごの圃場試験では散布50日後までハダニの密度の回復をほぼ完全に抑えたとしています。
静岡県農業試験場(1990年、温室メロン)のカンザワハダニの試験では、本剤区は散布翌日に急減し、その後も低く推移しました。技術資料は「すぐれたパンチ力」としています。
サビダニの卵・若虫・成虫のいずれにも効果が高いとされています。兵庫県植物防疫協会(2001年、トマト)のトマトサビダニの試験では、1500倍散布で防除率が散布3日後100%(寄生虫数0)、8日後100%(寄生虫数0.5)でした(処理前寄生虫数700、無処理区は8日後に1,192)。
卵への補正死亡卵率は54.4%でしたが、ふ化後に大半の個体が発育途中で死亡しました。
マメハモグリバエには若齢幼虫に特に高い効果があり、老齢幼虫・蛹・成虫には効果が劣ります。奈良県農業試験場(1999年、なす、1500倍)の試験では、2〜3齢幼虫の生存数が散布時10から4日後1に減りました。技術資料は、予防効果は期待できないため被害が見え始めたら直ちに散布するよう求めています。
幼虫に高い効果があり、卵・蛹・成虫には効果がやや低い傾向があります。日本植物防疫協会高知試験農場(2000年、トマト、1500倍)のタバココナジラミの試験では、若齢〜老齢幼虫の補正密度指数が散布7日後1.5〜3.2、14日後0.3〜1.1でしたが、成虫は14日後に22.9に戻りました。熊本県農業研究センター(2006年、メロン、1000倍)のタバココナジラミ・バイオタイプQの試験では、散布13日後の防除価(成虫+蛹)は86でした。
1989年に国内で採集した既存の殺ダニ剤に抵抗性の8系統(ナミハダニ4、カンザワハダニ3、ニセナミハダニ1)で、ミルベメクチン10ppmの死亡率はすべて100%で、既存の殺ダニ剤との交差抵抗性はないと考えられるとしています。
青木ら(1994)は、ミルベメクチンは普通物で、慢性毒性・発がん性・繁殖性・催奇形性・変異原性などの各種試験で問題がないとしています。作物残留・土壌残留試験ではいずれも速やかに分解し残留しなかったとしています。
果樹・かんしょ・さといも・すいか・メロン・ピーマンなどは1000倍、なす・トマト・だいず・きくなどは1500倍、しそ・せり科葉菜類・食用花などは2000倍です。使用液量は果樹200〜700L/10a、野菜100〜300L/10aが中心です。
多くの作物で収穫前日まで(もも・ネクタリン・おうとう・パパイヤ・だいず・いんげんまめ・すいか・やまのいも・せんぶりは収穫7日前まで、あずきは収穫14日前まで、きゅうり(花・葉)・せり科葉菜類・みつば・セルリーは収穫3日前まで)です。いちご(親株床)は仮植前までです。りんご・もも・ネクタリン・小粒核果類・いちじく・なし・おうとう、ししとう・甘長とうがらし、しそ(花穂)・しそ科葉菜類、せり科葉菜類・コリアンダー(葉)・あしたば、エンサイ・モロヘイヤ・さんしょう(葉)・なんてん(葉)・せんぶり、食用エキザカム・食用カーネーション・食用せんにちこう・食用トレニア・食用パンジー・食用プリムラは1回、その他(パパイヤを含む)は2回以内で、ミルベメクチンを含む農薬の総使用回数も同じです。作物ごとに必ず最新の適用表で確認してください。
ハダニ類は繁殖が早く、密度が高くなると防除が困難になるため、発生初期にむらのないようていねいに散布してください。浸透移行性がないため、すべての葉に薬液がかかるよう散布液量を十分に準備します。ハモグリバエ類は老齢幼虫への効果が劣る場合があるため、発生初期に時期を失せず散布してください。
連続散布はハダニ類の抵抗性を増加させるおそれがあるため、できるだけ年1回の散布とし、他の殺ダニ剤と輪番で使用してください。
高温・乾燥時の散布は避けてください。なしは6月以前に使用せず、洋なし(ル・レクチェ)は袋かけ後に散布します。なすは炎天下を避けて夕方に散布し、水なす・加茂なす(大芹川種)には使用しないでください。いちごは親株床以外で使用しないでください。施設栽培いちじくでは薬液が乾きにくい条件や梅雨時の使用を避けてください。
りんごでは混用散布で小葉が黄化する場合があります。展着剤によっては薬害を生じるおそれがあるため、混用の際は事前に適否を確認してください。
湛水状態で使用せず、使用後14日間は入水しないでください。せり(水耕栽培)では、施設からの廃液を用水路・河川等に絶対に流さず適切に処理してください。
自動車・壁などの塗装面、大理石、御影石に散布液がかかると変色するおそれがあります。
ミツバチに軽度の影響があるため、巣箱に直接かからないようにしてください。周辺で養蜂が行われているかを関係機関に確認し、行われている場合は農薬使用の情報を提供します。蚕に長期間毒性があるため、桑葉にかからないよう注意してください。
眼に刺激性があるため眼に入らないよう注意してください。原液は皮膚に刺激性があるため、散布液調製時には手袋を着用します。誤って飲み込んだ場合は吐かせないで、直ちに医師の手当を受けさせてください。散布の際は農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。
危険物第四類第二石油類に該当するため火気に十分注意し、直射日光の当たらない低温な場所に密栓して保管してください。
普通物に区分されています。
IRACコード6(アベルメクチン系・ミルベマイシン系)の殺ダニ剤です。メーカーは、できるだけ年1回の散布とし、他の殺ダニ剤と輪番で使用するよう求めています。技術資料も、殺虫効果(ハモグリバエ類・コナジラミ類)を期待する場合を含めて連続散布を避け、他剤と輪番で使うよう求めています。
開発当時(1989年)の試験では既存の殺ダニ剤に抵抗性の系統にも効果が高かった一方、奈良県のいちごのナミハダニでは2013〜2015年に効果の高い個体群の割合が低下しています(今村・國本 2016)。静岡県の茶園のカンザワハダニでは2019〜2020年も高い感受性が維持されており(村上ら 2024)、地域・作物によって状況が異なります。
Riga et al.(2017)は、ナミハダニのGluClの変異(G314D、G326E)を両方持つ系統でミルベメクチンの抵抗性比が上がる(最大13.7倍)ことを示し、同じIRAC 6のアバメクチンにも抵抗性が生じていたとしています。エマメクチン安息香酸塩・レピメクチン・アバメクチンなど同じIRAC 6の剤と連続して使わず、作用機構の異なる殺ダニ剤とローテーションしてください。
2013〜2015年に採集した37個体群で、ミルベメクチン乳剤1000倍の補正死亡率は0.8〜100%とばらつき、85%以上の個体群の割合は56.8%でした。2004〜2008年の80%から低下しており、著者は本県でも感受性が低下していると考えられるとしています。同じ地域内でもほ場によって効果のある薬剤が異なったとしています。
國本(2013)は、ミルベメクチンなどにやや感受性が低下してきたハダニは、48時間後でも死亡はしていないが吸汁活動はなく、第1脚をせわしなく上下に動かす行動を繰り返すとしています。
メーカーは、有機JASに適合した農業でも利用可能な剤としています。ただし、地方自治体が独自に定める農薬使用基準(特別栽培農産物の認証など)では化学合成農薬としてカウントされる場合があるため、地域の関係機関に確認してください。
効いていても、ハダニは体色が変わらず動かなくなって死んでいくため、生きているように見えることがあります。開発元によれば、処理されたハダニは麻痺して死に至り、体は膨らんで飴色になります。死にきらなかった個体も転倒や歩行異常を起こし、産卵が抑えられます。ルーペなどで動いているかどうかをよく観察してください。
ハダニが発生し始めた、密度の低い時期に散布してください。技術資料は、激発してからではハダニの増える速さが上回って効果が劣る場合が多いため、低密度時の散布が効果的としています。一方、ハダニがまったくいないときの予防的な散布は本剤の特長を十分に発揮できないため避けるよう求めています。ハダニは葉裏に多くいるため、葉裏にもていねいに散布してください。
いいえ、連続散布は避けてください。メーカーは、連続散布はハダニ類の本剤に対する抵抗性を増加させるおそれがあるため、できるだけ年1回の散布とし、他の殺ダニ剤と輪番で使うよう求めています。奈良県のいちごのナミハダニでは、効果の高い個体群の割合が低下した例が報告されています。
はい、作物によって注意が必要です。高温・乾燥時の散布は薬害のおそれがあるため避けてください。なしは6月以前に使用せず、洋なし(ル・レクチェ)は袋かけ後に散布します。なすは炎天下を避けて夕方に散布し、水なす・加茂なす(大芹川種)には使用しないでください。いちごは親株床以外では使用しません。施設栽培のいちじくでは、薬液が乾きにくい条件や梅雨時の使用を避けてください。
りんごでは、混用散布で新しょう基部・果そう部の小葉が黄化することがあります。展着剤によっては薬害が出るおそれがあるため、混用の際は事前に適否を確認してください。
ミツバチ・マルハナバチへの影響は小さい一方、カブリダニ類には影響が大きい剤です。メーカーはミツバチ・マルハナバチへの安全日数を1日としています(巣箱に直接かからないようにしてください)。技術資料では、チリカブリダニは安全日数7日、ククメリスカブリダニは5日とされています。ミヤコカブリダニの雌成虫に直接散布した試験では補正死亡率91.6%でしたが、残効は1〜2週間ほどで弱まりました。ハダニアザミウマへの影響はほとんどありませんでした。
はい、長期間影響があります。技術資料ではカイコへの安全日数は50日以上とされています。桑葉にかからないよう注意してください。
他剤と混ぜるときは、先にこの乳剤を薄めてから水和剤・フロアブル剤を加えます。少量の水に両方を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
