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最終確認:2026年8月31日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:日産化学株式会社技術資料ほか
サンマイトフロアブルはピリダベンを有効成分とする殺虫剤で、ハダニ類やタバココナジラミに高い効果を持ちます。難防除のタバココナジラミバイオタイプQにも卓効を示します。サビダニ・ホコリダニなど分類群の異なる微小害虫にも幅広く対応する、1991年登録の薬剤です。
本剤は虫やダニが体内でエネルギーを作り出す働きを妨げます。エネルギーを失った害虫はすぐに歩けなくなり(ノックダウン)、加害が止まります。
ダニ・サビダニ・ホコリダニなど、分類群を超えた防除力
ハダニ類だけでなく、チャノナガサビダニ・チャノホコリダニ・シクラメンホコリダニといった、ハダニとは異なる分類群の微小害虫にも高い効果を発揮します。
卵から成虫まで速効的に効き、長く持続する残効性
コナジラミの卵から成虫まで全てのステージに速効的な効果を示し、しかもその効果が長期間持続します。対照薬剤で見られる密度のリバウンドもなく、低い水準を維持し続けます。
難防除のタバココナジラミバイオタイプQにも卓効
既存の多くの殺虫剤が効きにくいタバココナジラミバイオタイプQに対し、数少ない有効な薬剤の一つです。見分けがつきにくいシルバーリーフコナジラミにも同様に効果を発揮します。
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| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| あずき | ハダニ類 | 1000~2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫7日前まで | 2 | 散布 |
| いちご | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫開始3日前まで | 1 | 散布 |
| いちご | シクラメンホコリダニ | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫開始3日前まで | 1 | 散布 |
| いちご | チャノホコリダニ | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫開始3日前まで | 1 | 散布 |
| いちご | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫開始3日前まで | 1 | 散布 |
| いちご | ワタアブラムシ | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫開始3日前まで | 1 | 散布 |
| うり類(漬物用、ただし、しろうりを除く) | アブラムシ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| うり類(漬物用、ただし、しろうりを除く) | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| えだまめ | コナジラミ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫14日前まで | 1 | 散布 |
| かぼちゃ | うどんこ病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| かぼちゃ | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| かんしょ | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| かんしょ | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| きく | アブラムシ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | - | 2 | 散布 |
| きく | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫30日前まで | 2 | 散布 |
| きく | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | - | 2 | 散布 |
| きゅうり | うどんこ病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| きゅうり | アブラムシ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| きゅうり | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| きゅうり | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| さといも | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫21日前まで | 2 | 散布 |
| ししとう | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 定植前 | 2 | 散布 |
| しそ | シソサビダニ | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫14日前まで | 1 | 散布 |
| しそ | ハダニ類 | 2000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫14日前まで | 1 | 散布 |
| しょくようほおずき | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| すいか | うどんこ病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| すいか | アブラムシ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| すいか | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| すいか | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| せんぶり | シクラメンホコリダニ | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫75日前まで | 1 | 散布 |
| にがうり | コナジラミ類 | 1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| ふき | コナジラミ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫14日前まで | 2 | 散布 |
| みょうが(茎葉) | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | みょうが(花穂)の収穫前日まで 但し、花穂を収穫しない場合にあっては開花期終了まで | 2 | 散布 |
| みょうが(花穂) | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布、但し花穂の発生期にはマルチフィルム被覆により散布液が直接花穂に飛散しない状態で使用する。 |
| カーネーション | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | - | 2 | 散布 |
| ピーマン | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫前日まで | 2 | 散布 |
| ポインセチア | コナジラミ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | - | 2 | 散布 |
| メロン | うどんこ病 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| メロン | アブラムシ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| メロン | コナジラミ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| メロン | ハダニ類 | 1000~1500倍散布液量 100~300L/10a | 収穫3日前まで | 2 | 散布 |
| 茶 | カンザワハダニ | 1000倍散布液量 400L/10a | 摘採14日前まで | 2 | 散布 |
| 茶 | チャノキイロアザミウマ | 1000倍散布液量 200~400L/10a | 摘採14日前まで | 2 | 散布 |
| 茶 | チャノナガサビダニ | 1000~2000倍散布液量 200~400L/10a | 摘採14日前まで | 2 | 散布 |
| 茶 | チャノホコリダニ | 1000~2000倍散布液量 200~400L/10a | 摘採14日前まで | 2 | 散布 |
| 茶 | チャノミドリヒメヨコバイ | 1000~2000倍散布液量 200~400L/10a | 摘採14日前まで | 2 | 散布 |
| 食用ぎく | アブラムシ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫21日前まで | 2 | 散布 |
| 食用ぎく | ハダニ類 | 1000倍散布液量 100~300L/10a | 収穫21日前まで | 2 | 散布 |
作物名に「(〜を除く)」とある場合はかっこ内の作物がその行の適用範囲に含まれません。 例えば「かんきつ(みかんを除く)」の行に記載された希釈倍数・使用時期・使用回数はみかんに適用されません。 かっこ内の作物は独自の条件で別の行に登録されている場合があります。表内に該当する作物名の行があるかご確認ください。 該当する行がない場合は本剤に当該作物の登録はありません。
IRACコード:21A(METI剤、ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤)
ピリダベンは電子伝達系複合体Iを阻害することで、細胞のエネルギー利用そのものを妨害します。ハダニ類の幼虫に対する作用には2つのパターンが認められています。高濃度処理の場合、処理後数十分で正常な歩行や吸汁行動ができなくなりノックダウンし、致死までには1日程度を要します。低濃度処理の場合はノックダウン症状を示す個体の比率は下がりますが、代わりに脱皮過程が阻害されて致死する個体の比率が増加します。
同じグループ21Aには、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、テブフェンピラド、トルフェンピラドなどが収載されており、ピリダベンはこのグループに属する一成分です。
有効成分ピリダベンは、日産化学工業(現・日産化学株式会社)が発見した化合物です。既存の有機リン剤・カーバメイト剤・合成ピレスロイド剤等以外の新規骨格を持つ化合物の探索過程で、除草剤ノルフルラゾンの類縁化合物の中から、予期せぬ殺ダニ・殺虫活性を持つ化合物が発見されたことが開発の出発点でした。このリード化合物を起点に構造活性相関の検討が重ねられ、残効性・経済性・安全性等を考慮して最終的にピリダベンが選択されました。
1984年度から日本植物防疫協会を通じて試験が進められ、平成3年(1991年)4月1日に農薬登録を取得しています。海外でも1994年末までに32か国で登録され、「Sanmite」「Nexter」の商品名で上市されました。
1991年という比較的古い登録の製剤ですが、その後2005年に国内で問題化した侵入害虫「タバココナジラミバイオタイプQ」に対する有効性が確認され、対策薬剤の一つとして再評価されてきたという経緯があります。
宮崎県総合農業試験場の試験では、本剤1,000倍で補正死虫率99.0%、4,000倍(1/4濃度)でも97.8%を維持しました。対照薬剤は2,000倍で70.1%、8,000倍で46.7%に低下するなど、通常濃度・希釈濃度のいずれでも本剤が高い致死効果を示しています。
卵(前期・中期・後期)、幼虫(1〜3齢)、蛹、成虫の各ステージのLC50値はいずれも実用濃度(200ppm)に対して大きな余力を持つことが確認されています。熊本県農業研究センターの残効性試験では、散布後0・3・8・14日を通じて成虫・蛹数が低く抑えられ、対照薬剤区で見られたリバウンド現象(散布後14日目の急増)が見られませんでした。シルバーリーフコナジラミに対しても同様に優れた防除効果が確認されています。
ハダニに対する作用発現はきわめて速く、25℃条件下では処理15分程度でノックダウン症状を示す個体が現れ、ミカンハダニ成虫では120分程度、ナミハダニ成虫では90分程度で全ての個体がノックダウンします。20〜30℃の範囲では活性に顕著な差が見られず、温度の影響を受けにくいと判断されていますが、ノックダウン症状の発現速度自体は15〜30℃の範囲で高温ほど速くなる傾向があり、ダニ被害が大きい夏期の使用に有利な特性とされています。
秋田県平鹿郡の現地調査(1992〜93年)では、本剤を使用したことのない園地から採集された個体群でも、LC50値が実用濃度を大きく上回る高い抵抗性を示すケースが確認されました。室内選抜実験では、無選抜個体群(LC50値54.5ppm)に対し、7回選抜した個体群は抵抗性比9.8以上(LC50値533ppm以上)を示し、選抜中止後も抵抗性の顕著な低下は見られませんでした。
抵抗性の遺伝様式には、優性の単一主働遺伝子の関与が示唆されています。一方で、既存の殺ダニ剤に感受性が低下した系統に対しても高い活性を示すことが確認されており、既存剤との交差抵抗性はないと考えられています。
製剤毒性は劇物です。水産動植物、特に魚類への影響が強いとされています。
ミツバチは散布後4日以降、マルハナバチは散布翌日から導入可能とされています。
連続散布はハダニ類の抵抗性発達を招くおそれがあるため、できるだけ年1回散布にとどめ、他の殺ダニ剤とローテーションで使用してください。
茶では1〜2葉期における銅水和剤との混用で薬害を生じるおそれがあります。きゅうり・メロンでは施設内の極端な高温時や幼苗期の散布を避けてください。さといもは高温時の散布で葉に薬害を生じることがあります。なすでは果実・葉に薬害が生じるおそれがあるため、付近にかからないよう注意してください。
一部の薬剤との混用では、本剤を先に所定濃度に希釈してから他剤を後で加えるという順序が指定されている組み合わせがあります。混用を行う際は事前に混用事例集や販売店で確認してください。
カイコに対して影響があるため周辺の桑葉にかからないよう注意してください。ミツバチに対しても影響があるため、巣箱及びその周辺への飛散を避け、受粉促進目的で放飼中の施設・果樹園では使用を避けてください。
劇物のため、散布の際は防護マスク・手袋・不浸透性防除衣を着用してください。水産動植物への影響が強いため、河川・湖沼・海域への飛散や養殖池周辺での使用は避けてください。
IRACグループ21A(METI剤、ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤)に属する成分です。既存の殺ダニ剤に感受性が低下した系統に対しても高い活性を示し、既存剤との交差抵抗性はないと考えられています。一方で、本剤自体の連続使用によって抵抗性が発達した事例が学術データで確認されており、使用したことのない園地でも抵抗性の兆候がみられる場合があります。
年1回程度の使用にとどめ、異なる作用機構を持つ殺ダニ剤とのローテーション管理を徹底することが推奨されます。
対象害虫はハダニ類・コナジラミ類を中心に、サビダニ・ホコリダニ、茶のアザミウマ・ヨコバイまで及びます。ミカンハダニ、リンゴハダニ、ナミハダニ、カンザワハダニなどのハダニ類に加え、ミカンサビダニなどのフシダニ類、チャノホコリダニなどのホコリダニ類といった、ハダニとは異なる分類群の微小害虫にも優れた殺ダニ活性を持ちます。
ダニ以外にも、タバココナジラミ、オンシツコナジラミ、ワタアブラムシ、チャノミドリヒメヨコバイといった半翅目害虫、チャノキイロアザミウマといったアザミウマ目害虫にも高い活性を示します。
対象作物はかんしょ・さといも・あずき・きゅうり・すいか・メロン・かぼちゃ・うり類・えだまめ・ピーマン・にがうり・いちご・みょうが・せんぶり・しそ・食用ぎく・きく・カーネーション・ポインセチア・茶と幅広く、うどんこ病への適用も一部にあります。
※この農薬で登録されている作物と対象病害虫です。
いいえ、植物体への浸透移行性はありません。かけ残しのないよう、葉の裏表に十分散布することが大切です。コナジラミ類は葉裏を好んで寄生するため、特に葉裏を意識した散布を心がけてください。
非常に速効的です。 25℃条件下では、処理15分程度でハダニの歩行異常が現れ始め、ミカンハダニ成虫では120分程度、ナミハダニ成虫では90分程度で全ての個体がノックダウンし、1日後には死亡します。 20〜30℃の範囲では活性に大きな差がなく、気温による影響を受けにくいため、ダニの被害が拡大しやすい夏の高温期でも安定した効果が期待できます。
はい、影響があるため導入時期に注意が必要です。ミツバチは散布後4日以降、マルハナバチは散布翌日から導入可能とされています。巣箱及びその周辺への飛散を避け、受粉促進目的で放飼中の施設・果樹園では使用を控えてください。
使用場所や頻度によっては、抵抗性の発達に注意が必要です。秋田県のリンゴ産地で行われた調査では、本剤を使用したことのない園地から採集された個体群でも、ピリダベンに対する感受性が低いケースが確認されています。産地が集中する地域ほど抵抗性が問題になりやすい傾向も示されており、連続散布は避け、他の殺ダニ剤とのローテーションを徹底することが推奨されます。
本剤は劇物に指定されているため、取り扱いには十分な注意が必要です。散布の際は防護マスク・手袋・不浸透性防除衣を着用してください。また水産動植物、特に魚類への影響が強いため、河川・湖沼・海域への飛散や養殖池周辺での使用は避けてください。きゅうり・メロンの高温期や幼苗期、さといもの高温時、なすの果実・葉付近への飛散など、作物ごとの薬害リスクにも注意してください。
目に入った場合は直ちに水で十分に洗い流し、速やかに医師の診断を受けてください。誤って飲み込んだ場合は、口をすすいだうえで無理に吐かせず、直ちに医師に相談してください。本剤は劇物に指定されているため、保管・取り扱いには通常以上の注意が必要です。
他剤と混ぜるときは、1剤ずつ水に溶いてから次を加えます。乳剤と混ぜる場合は乳剤が先です。少ない水に2剤を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
