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最終確認:2026年8月31日
農薬登録情報:独立行政法人農林水産消費安全技術センター
技術情報:日本農薬株式会社技術資料ほか
エコパートフロアブルはピラフルフェンエチルを有効成分とするフェニルピラゾール系の除草剤で、麦の生育期の一年生広葉雑草に効きます。有効成分2.0%と低薬量ながら、麦には高い安全性を保ちつつ、雑草を速効的に枯らします。こんにゃくでは植付後〜萌芽前にも使えます。
本剤は雑草がクロロフィルを作る酵素を妨げ、光が当たると細胞を壊す物質を発生させます。麦の体内では速やかに分解されるため、麦に影響を与えずに雑草を枯らします。
麦に安全、雑草にはしっかり効く高い選択性
有効成分は麦の体内で速やかに分解・無毒化されるため作物への安全性が高く、雑草にはしっかり効果を発揮します。小麦(春播・秋播)・大麦それぞれで、地域(北海道/全域)や生育ステージ(葉齢、止葉抽出前、節間伸長開始期前)に応じた複数の使用時期パターンが用意されています。
低薬量での接触型・速効的な広葉雑草防除
有効成分濃度2.0%と低い濃度ながら、接触型の作用によって処理した葉を速やかに褐変・枯死させ、広葉雑草を防除します。
麦類だけでなく、こんにゃくの植付後〜萌芽前にも登録
麦の生育期における茎葉処理に加え、こんにゃくでは植付後から萌芽前という土壌処理的なタイミングにも適用があり、異なる使用場面に対応できます。
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| 作物 | 適用病害虫雑草 | 希釈倍数・使用量 | 使用時期 | 使用回数 | 使用方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| こんにゃく | 一年生広葉雑草 | 50~100mL/10a散布液量 100L/10a | 植付後~萌芽前(雑草生育期) | 2 | 雑草茎葉散布又は全面散布 |
| 小麦 | 一年生広葉雑草 | 50~75mL/10a散布液量 100L/10a | 春期小麦止葉抽出前まで(雑草生育期)但し、収穫45日前まで | 2 | 雑草茎葉散布又は全面散布 |
| 小麦 | 一年生広葉雑草 | 50~100mL/10a散布液量 100L/10a | 小麦節間伸長開始期まで(雑草生育期)但し、収穫45日前まで | 2 | 雑草茎葉散布又は全面散布 |
| 大麦 | 一年生広葉雑草 | 50~100mL/10a散布液量 100L/10a | 大麦節間伸長開始期まで(雑草生育期)但し、収穫45日前まで | 2 | 雑草茎葉散布又は全面散布 |
HRACコード:14(PPO阻害剤=プロトポルフィリノーゲン酸化酵素阻害剤、フェニルピラゾール系)
クロロフィル合成経路のプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)を阻害し、光の存在下で活性酸素種を発生させることで細胞膜を破壊する接触型の除草成分です。処理した葉部を速やかに褐変・枯死させる速効性を持ちます。
有効成分ピラフルフェンエチルは日本農薬株式会社が創製した化合物です。それまでの含窒素複素環系PPO阻害剤(ベンゼン環が複素環の窒素原子と結合する構造)とは異なり、ベンゼン環がピラゾール環の3位炭素原子と結合する「3-フェニルピラゾール」という独自の化学構造を持ちます。開発の端緒は、いもち病防除剤イソプロチオラン、肝疾患治療薬マロチラート、抗真菌剤ラノコナゾールの合成基盤ともなった同社のケテンジチオアセタール化学を、新たな探索素材へ応用したことでした。
第一のリード化合物は、活性メチレン化合物を原料としてケテンジチオアセタールへ導き、メチルヒドラジンと反応させることで合成され、そこから得られた3-フェニルピラゾール誘導体が広葉雑草に対する高い活性を示しました。工業的製造プロセスではヘック反応・フリーデルクラフツ反応の活用により製法が大幅に改善されています。
麦と難防除広葉雑草(欧州で問題となるヤエムグラ)を用いた研究では標的酵素PPOそのものへの阻害活性は両者でほぼ同程度であり、これは選択性の主因ではないことが示されました。代わりに、①葉面への付着量・吸収量が雑草側の方が麦よりはるかに多いこと、②体内での代謝速度の違いが選択性の主因であることが分かっています。
ピラフルフェンエチル自体はエステル加水分解によって代謝物Iへと活性化される「プロ農薬」であり、代謝物Iは親化合物の約4倍強力な阻害活性を持ちます。麦ではこの代謝物Iが速やかにさらに代謝され(代謝物IIを経て不活性な代謝物IIIへ)無毒化されるのに対し、難防除雑草ではこの無毒化の速度が遅く、活性型の代謝物Iが長く体内に留まることが、選択性を生む主因と結論づけられています。
本剤は、ピラフルフェンエチルの日本国内における最初の実用製品であり、麦類用除草剤として平成11年(1999年)4月19日付で農薬登録・上市されました。2001年にはばれいしょ茎葉枯凋剤「デシカン乳剤」としても同成分の製品が販売開始され、海外でも14カ国で登録・上市(2003年時点)、複数国で開発が進められていました。
欧州(英国・フランス)で1990〜1991年に実施された冬コムギを対象とした圃場試験ではピラフルフェンエチルの茎葉処理により、既存の複数の有効成分と同等以上の活性水準が確認されています。特に西欧の冬コムギ畑で問題となる難防除広葉雑草ヤエムグラ(Galium aparine)に対しては、6〜12g有効成分/haという低薬量で90%以上の防除効果が得られました。
これは欧州の冬コムギを対象とした海外試験のデータであり、国内の適用雑草区分はあくまで「一年生広葉雑草」です。栽培環境・対象雑草相が国内とは異なる可能性がある点に留意が必要です。
急性毒性試験の結果、ラット・マウス(経口)に対するLD50値は雌雄とも5000mg/kg以上、ラット・マウス(経皮)に対するLD50値は雌雄とも2000mg/kg以上であり、急性毒性は弱く「普通物」に分類されます(原体ベースのデータ)。カイコ・ミツバチ等の有用昆虫やカブリダニ・コモリグモのような天敵に対する毒性も弱いとされています。
本剤はピラフルフェンエチルを含む農薬であるため、他の同一成分を含む農薬の使用回数と合わせ、総使用回数(2回以内)の範囲内で使用してください。
小麦(春播・秋播)については、地域(北海道/全域)によって使用できる使用時期パターンが異なります。栽培地域を確認した上で、正しい使用時期を選択してください。
麦類(小麦・大麦)ではいずれの使用時期にも「収穫45日前まで」という使用限界が設定されています。こんにゃくは植付後〜萌芽前の使用のため、収穫前日数の定めはありません。
普通物に区分されています。
HRACコード14(PPO阻害剤)に属する成分です。同一の作用機構を持つ除草剤の連用は雑草の抵抗性発達を招くおそれがあるため、作用機構の異なる除草剤とのローテーション使用を心がけてください。
※この農薬で登録されている作物と対象病害虫です。
原体ベースのデータではカイコ・ミツバチ等の有用昆虫やカブリダニ・コモリグモのような天敵に対する毒性は弱いとされています。
対象雑草は一年生広葉雑草のみで、イネ科雑草への適用はありません。広葉雑草に特化した薬剤です。
栽培地域(北海道/北海道を除く全域)と播種時期(春播・秋播)によって使用できる時期パターンが異なります。葉齢基準、止葉抽出前基準、節間伸長開始期基準など複数の設定があるため、栽培地域に応じた正しい使用時期をラベルで確認してください。
他剤と混ぜるときは、1剤ずつ水に溶いてから次を加えます。乳剤と混ぜる場合は乳剤が先です。少ない水に2剤を同時に入れて練らないでください。
ご使用に際して、製品ラベルに記載された希釈倍率・使用時期・使用回数・収穫前日数を必ず遵守してください。製品ラベルの記載と本ページの記載が異なる場合や薬害や安全使用上の注意などの記載がある場合は、製品ラベルの記載に従ってください。都道府県によってご使用を控えるよう指定されている農薬があるため、お住まいの地域の指針もあわせてご確認ください。河川・水路等への流入および周辺への飛散に注意し、使用後の容器は適切に処理してください。誤って眼または皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。体調に異常が生じた場合は、医師の診断を受けてください。直射日光および高温を避け、小児の手の届かない場所で保管してください。
